映画「“隠れビッチ”やってました。」の完成披露舞台あいさつが11月4日、東京・六本木で開催中の「第32回東京国際映画祭」の中で行われ、主演の佐久間由衣をはじめ、村上虹郎、大後寿々花、小関裕太、三木康一郎監督が登壇。

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佐久間は1年半前にオファーが来たときの心境を「私、お嫁に行けなくなるのかな…と思ったんですが(笑)、精神的なビッチさ、承認欲求と向き合う話だったので、ぜひ出演させていただきたいと思いました」と笑顔で振り返りつつ、涙を見せる場面もあった。

原作は、イラストレーターのあらいぴろよが実体験を基に描いたコミックエッセー。

異性にモテることが趣味の26歳の独身女性・ひろみ(佐久間)は、絶妙なスキンシップと会話術で異性をもてあそび、告白させたら即フェードアウトして自尊心と承認欲求を満足させていた。

同居人のコジ(村上)と彩(大後)があきれ顔でたしなめる中、ひろみは数年ぶりにできた気になる相手・安藤(小関)に振られ、やけ酒で酔いつぶれているところを同僚の三沢(森山未來)に目撃され…というラブコメディー。

■ 監督からの厳しい指導も…!

ハイテンションが続く芝居について尋ねられ、「終始大変でした。監督の『違う、違う、違う、違う』という厳しい指導で何とか乗り切ったという感じでございます」と佐久間。

だが、監督は素知らぬ顔で「全部佐久間さんに任せました」と言い、詰め寄られると「1シーン1シーン丁寧に正解を探していったってことですね」と乗り切った。

登壇前、村上の衣装に「闘牛士かよ!」とツッコミを入れていたことを暴露された監督は、村上とMCの質疑応答中も明後日の方を向き「ね、監督?」と同意を求められても「…興味ないから聞いてないんだよね」とバッサリ。

内容にちなんでキャスト陣が「気になる異性への必殺モテテクニック」をパネルで発表する企画が始まると「俺はないの?」と言ったり「イケメンじゃないとキモいって言われる」とツッコんだり、自由気ままだったが、内容については「タイトルにびっくりされると思いますが、すごく身近な物語です。

特にテーマもメッセージもなく何も起こらない、女の子の、ささいな出来事をどう伝えるかをずっと考えながら撮っていました。恋や人生に疲れていろいろあると思いますが、見た方がちょっとだけでも前向きになれればいいなと思います」としっかりコメント。

佐久間由衣が涙ぐむ場面も

他にも、2本しかないマイクをキャスト全員が譲り合った結果、2本とも佐久間に集まってしまったり、会話が弾み過ぎて通訳担当者を心配したりと、終始和やかなムードで進んだが、最後にコメントを求められると、佐久間は感極まった様子で「1年前の12月、寒い時期の撮影をみんなで乗り越えて、こうやって形になったのがすごくうれしいです。

初主演ということもあって、できないこともいろいろあったんですけど、皆さんに支えてもらいながら出来た作品です」と語りながら涙ぐんだ。

そして監督と同じく「タイトルが強烈ですが、中身はすごく愛が詰まっています。原作のぴろよさんが、自分の身近に昔の自分に似た人がいたから描き始めたとおっしゃっていました。そういうふうに苦しんでいる人に届いたらいいなと思います」と続けて笑顔を見せた。

映画「“隠れビッチ”やってました。」は、12月6日(金)全国公開。(ザテレビジョン・取材・文・撮影=坂戸希和美)

映画「“隠れビッチ”やってました。」の完成披露舞台あいさつより