4日に共産党本部で開かれた「第8回中央委員会総会」で、志位和夫委員長が16年ぶりとなる「日本共産党綱領」の一部改定案を示した。

 今回の改定のポイントとして注目されるのが、中国政府、そして中国共産党に対するスタンスの変化だ。志位委員長尖閣諸島での領海侵犯の常態化や香港やウイグル自治区での人権問題の深刻化などを指摘、「中国の行動は、どれも社会主義の原則や理念と両立し得ないものと言わなければならない」と批判。改定案からも「『市場経済を通じて社会主義へ』という取り組みなど、社会主義がめざす新しい探求が開始され、人口が13億を超える大きな地域での発展として、21世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしている」(第3章「世界情勢論」、2004年改定)という記述を削除した。

 5日放送のAbemaTVAbemaPrime』に出演した小池晃書記局長は「世界の見方を、もうちょっと長い目で見て正確にしようという思いで綱領を変える。要するに、これは中国が目指しているものは、もはや社会主義とは言えないのではないか、ということだ」と説明する。

 「社会主義とは本来、人間が本当の意味で束縛から自由に生きていけるようにするもの。それが民主主義の否定や人権の抑圧、あるいは核兵器禁止条約に反対する動きをしている。3年前の党大会でも“大国主義・覇権主義の道を進んでいる”と警告したが、向こうは“それは削ってくれ”と言ってきた。しかし、その後も尖閣諸島での領海侵犯、香港の事態に対する武力による威嚇、チベットでの人権問題など、どんどんひどくなっている。それを今回の綱領ではっきりさせようということにした」。

 また、志位委員長は5日の会見で「日本共産党中国共産党同一視することが広く行われている。これによって、中国の覇権主義的行動や人権侵害に対しての当然の批判やあるいは社会主義に対するマイナスイメージ日本共産党の前進の障害になっている」とも発言している。

 「確かに“誤解を解くため”にという面もあるが、我々は他党同様、向こうから来られた際にはお会いすると形での付き合いはしてきた一方、中国大使館を通じて尖閣諸島の問題などに関する懸念も伝えてきた。安倍さんは“中国と関係が良くなった”と言うが、中国に対し、ちゃんとものを言っていないのではないか。最近も李克強首相と会談をしているが、“日中関係は新たな時代にきたんだ”というようなことを言って、正面から批判をしなかった。そういう雰囲気が日本だけでなく世界的にも出てきている中、日本共産党が“領海侵犯を絶対許さない”と中国を正面から批判するということは、単に日本の政治だけではなく、世界にとっても意味があるのではないか。そういった意気込みがある」(小池氏)。

 こうした小池氏、そして日本共産党の姿勢に対し、「現実に南シナ海、尖閣諸島への軍事的圧力を高める中国に対して、具体的にどのように対抗するつもりか。自衛隊を積極的には認めず、日米安保も否定するのであれば、“口だけ”ということにならないか」といった疑問の声も少なくない。

 しかし小池氏は「海上保安庁がきちっと対応すれば良いし、国境を守っていくことは大事な仕事なので、我々は海上保安庁の機能強化には反対していない。また、武力を使うということではなく、きちんとものを言うことこそすべきだ。南シナ海の問題についても、日本はちゃんと言っていない。“3000m級の滑走路を作って、巨大な軍事基地を作っている。こういったことはやめるべきだ”と正面から言っていくことこそやるべきだ」と反論。また、政治ジャーナリストの安積明子氏が「中国に対しては結構アグレッシブに向き合っていると感じるが、同じような国である北朝鮮についてはどうなのか」と尋ねると、「社会主義でも共産主義でも何でもない前近代的な封建社会というか、完璧な独裁国家だ。だから朝鮮労働党に対しては批判を越えて全く相手にしていないし、関係を断絶している。拉致問題についても、国会で真っ先に取り上げたのは我が党の橋本敦参議院議員だ」とコメントしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
 

▶映像:小池議員とのスタジオトーク

「自分たちが中国を批判することに意味がある」16年ぶりの綱領改定で中国共産党に厳しい姿勢、日本共産党の意図は