「配管クリーニングサービス」って聞いたことがありますか?
一級建築士の夏目あや子さんは、築8年の自宅ではじめてこのサービスをお願いしたそう。きれいに使っているつもりでも、配管は結構汚れていたとか……。
「配管クリーニングサービス」について、依頼からクリーニング後のことまで夏目さんに教えてもらいました。
配管クリーニングを体験。効果と汚れをためないコツ教えます配管クリーニングサービスとは
配管クリーニングサービスとは、キッチン、お風呂、洗面所など水回りの排水口から外にある汚水マスまでつながる排水管を掃除してくれるサービスです。
マンションなどの集合住宅では管理費などでその費用をまかない、定期的にされていることかと思いますが、戸建て住宅でもお願いする人は多いようです。
インターネットで検索すると地元の業者さんや、大手の業者さんまでたくさん出てきます。
汚れの原因としては、キッチンでは油など、洗面所やお風呂は髪の毛などが大半を占めるといいます。我が家もなるべく流していないつもりでも、けっこう溜まっていました。
お願いする業者の選定
今回、我が家はカインズホームへ依頼しました。
カインズホームさんを選んだ理由としては、
・お店が近かった
・お店に配管クリーニングのポスターが貼ってあったので興味を持った
・思っていたより安かった
・作業時間もさほどかからないことがホームページで分かりやすく説明されていた
・ネットで申し込みができた
などです。
我が家の水回り対象はキッチン、洗濯機、洗面、トイレ、お風呂です。
お値段は、9800円。
ネットで申し込みをすると、まず担当のお店からメールが来て、数日後に日程調整の電話をいただきます。この時、いくつか注意点があり説明していただきました。
築10年以下の住宅については施工会社に確認が必要
築10年までというのは、施工会社から受けられるいろいろな保証があります。許可なく別の業者さんにお願いすると、万が一の時保証が使えないときがあるそうです。
我が家は築8年ですが、特に保証などの問題はなかったのでお願いしました。ハウスメーカーなどでは細かく規定があったりしますので、ぜひ確認してみてくださいね。
2階までは届かない
高圧洗浄機の特殊なホースで掃除するのですが、2階までは届かないそうです。汚水マスよりもかなり高い位置に排水口がある場合には注意が必要です。
お風呂やキッチンが2階にあるという住宅は、相談が必要かと思います。
作業の際、電源と外水道が必要
高圧洗浄機を使うので、電源と外に設置されている水道が必要です。
お庭がないお宅などの場合は設置されていないこともあるかと思います。その場合は汚れないように養生などをしてから、おうちの中の水道や電源を使うそうですが、水道に関しては蛇口のサイズが合わないと使えないこともあるそうです。
うちに来てくれた担当さんは、これまでに一度だけ外に水道がなくてできないことがあったそうです。
作業工程
作業前点検
午後、名刺を持って作業の方がひとりでいらっしゃいました。外水道の位置、外電源の位置を確認後、まず行ったのは水漏れの検査。
水を出せるところは出して、しばらく出しっ放しにして、漏れている箇所がないか目視で検査。
我が家の場合はキッチンと外の汚水マスの間に床下点検口があるので、この点検口から覗いて確認していました。
もし床下収納庫などになっていてモノが入っている場合は、どかしておくと作業がスムーズです。
左が、専用ノズル付きのホース。水が噴出する勢いで進むもので、汚れを手前に流しながら進みます。
外の汚水マスをひとつずつあけて、状況を確認します。
我が家のスケッチです。
西側にすべての汚水マスが並んでおり、マス同士も配管で横につながっていました。最終的に北側にある大きなマスへ流す形になっています。
ユニットバス用とキッチン用がトラップマスというもので、そのふたには「定期的に掃除して下さい」と書いてある……。
いや、分かってはいます。たまった汚れを定期的に出してあげないと、流れが悪くなるんですね。でもたぶん2年くらいは放置しました……。す、すみません。
いよいよ作業開始!
汚れないように全身カッパのような作業服を身にまとい、手際よくマスを掃除していきます。
高圧洗浄機は思ったよりうるさくありませんでした。我が家のような田舎では問題ありませんが、高圧洗浄機の音を周囲の人が気にしそうならば、ご近所に一言言っておいてもいいかもしれません。
洗浄用のノズルは、排水マスに入れると勝手に進んでいきます。止まったらまた引っ張ってまた入れて、と何度か出し入れして洗浄してくれます。
マスひとつはあっという間に終わります。
ノズルで奥まできれいになったら、今度はマスの内壁部分も高圧洗浄機できれいにしてくれます。
この時、出た汚れも最終的なマスまで流れるよう、マス同士の配管の上手から掃除してくれました。
左がBEFOREで、右がAFTERです。壁の周りも細かい茶色い泡みたいなのも汚れです。
ここはユニットバス用のトラップマス。臭いがあがらないようにトラップという水のたまる場所(封水)を作っている場所です。
汚れをためるごみ受けもあるんですが、髪の毛がすごかった!(汚画像のためお見せできません……)
髪の毛を取り除ききれいにしたごみ受けもセッティングし、完了です。
キッチンの方のごみ受けもぴっかぴかに仕上げてくれました。こちらは油の塊が……放っておくと臭いがすごいです。
汚水マスのふたを元通りにして、作業完了です! ここまでで2時間ほどでした。
その後は書類にサインして、完了! カインズホームの場合、サインをした施工完了書を持ってお店で支払いをします。
そのひと手間がありますが、支払いは1週間以内くらいでよいそうなので、お仕事をしていても難しくはないかと思います。
洗浄してみて、体感したこと
洗浄後、あきらかにキッチンや洗面所の流れが良くなりました。流れてなかったわけではないけど、さらーーーっと流れる気持ちよさ。
「ママーおみず、すぐながれるね」と4歳三女も気づくくらい、すっきりしました。
配管に汚れをためないようにするために
汚れがたまるのは、配管の壁に汚れが貼り付いてしまうため。
キッチンなどはなるべく油をふきとってから洗う、というのはもちろん有効だそうです。ごみはごみ受けにたまるけど、液体部分がすべて流れてしまうと油は冷えて固まるからです。
いらない布をウエスにしておいて、しみこませて捨てるという方法もありますね。
あとは、シンクにぬるま湯をためて、勢いよく流す方法。
ためるぬるま湯の量をきめ、流れ終わるまでの時間を測ります。同じ量を何度か流してみて、かかる時間が変わらなくなったら、ぬるま湯の勢いで流せる汚れがなくなったということ。
熱湯では配管を傷めるので、ぬるま湯が良いとのことです。パイプ洗浄剤なども定期的にできるとたまりにくいそうですよ。
DenysProduction / PIXTA(ピクスタ)
見えないところの洗浄も本当に大事だと分かった今回のクリーニングサービス。11月に入り、大掃除を見据えた掃除を一か所ずつすすめたいところ。
もし気になっていることがあれば、まずは相談してみてはいかがでしょうか?
【参考】
※ カインズホーム
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