突然ですが、スーパーに行くとき気になりませんか、30円と150円の豆腐はどう違うのか。

【画像で見る】マーボ豆腐にすると一目瞭然! 各製品で作ったマーボ豆腐の違い

 5倍も違うわけです。5倍ですよ。いつも「ま、安いのでいっか」と割り切ってしまうけど、買い物のたびに気になってしまう。ええい、ここは思い切って調査をしよう。実際に食べれば、違いが分かるはずだ!

 というわけで、今回はスーパーで売られているさまざまな価格帯の豆腐を「冷奴」「湯豆腐」「マーボー豆腐」にして食べ比べてみました。

●29円から150円までの豆腐7種を購入

 まずは買い出しです。全部食べるという意気込みで出掛けたものの、あいにく当日は「明日巨大な台風が来る」と予報されていた日。品薄になった売り場で子どもが「世界はもう終わりだね」とか言っています。お母さんは大爆笑していますが、世界も終わりな程度に豆腐売り場もスカスカでした。

 そういった状況でスーパーを4軒ほど回り、何とか7種類の豆腐を入手しました。筆者は木綿派なので全て木綿を買ったつもりでしたが、原稿書くときによく見たらなぜか絹が2つ混ざっていました。許してください。

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No.1:やわらかな木綿豆腐(29円/100グラムあたり9.6円)

No.2:にがり錦(48円/100グラムあたり16円)

No.3:濃い絹 にがり作り(58円/100グラムあたり16.6円)

No.4:おとうふ もめん(75円/100グラムあたり21.4円)

No.5:安曇野 絹(150円/100グラムあたり33.3円)

No.6:大山阿夫利 木綿(118円/100グラムあたり33.7円

No.7:大地と海の恵み 木綿(78円/100グラムあたり44.6円)

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 さあ、まずは冷奴で食べ比べてみましょう。

●冷奴で食べ比べてみるぞー!

 おそらくですけど、値段が高くなるごとに何らかのパラメータが上がっていくと思うのです。牛肉なら、高い肉ほどやわらかい。果物なら高いものほど甘いというイメージがあります。そういうパラメータを見つけたいのです。

 予想では、高級な豆腐ほど「大豆の味が濃い」「甘みが強い」「くさみがない」「口あたりが滑らか」になりそうな気がしています。

 豆腐そのものの味の違いを確かめるべく、まずは冷奴(というか、何もつけない)で実食。「弾力」「くさみのなさ」「滑らかさ」「甘み」「口どけ」「香り」の6項目で、味の違いを評価をしてみました。

 評価してみたのですが、正直なところ……

 「よく、分からない」

 というのが結論です。

 「高い豆腐の方があらゆる項目で高得点」という傾向が出たのですが、自信をもって「こんなに違うぞ」と断言できるほどの違いがあるかというと……うーん。どれが高い豆腐なのか分かる状態で評価しているので、思い込みが入っている可能性も否定できません。

 試しに目隠しして銘柄を当てるブラインドテストを行ってみたところ、正解は3問中1問。読者から「本当はお前の舌がバカなだけだ」という声が聞こえてきそうです。おかしいなー。筆者は「『チョコモナカジャンボ』はあそこコンビニがうまい」とか言うくらいグルメなのに。これでは自分をテストしているんだか、豆腐をテストしているんだか分かりません。

 いやでも、5倍も値段が違うのに、違わないなんてことあるんでしょうか。もしかしたら“生”だとかえって分かりにくいのかもしれません。

湯豆腐にして食べ比べてみた

 というわけで、今度は同じ豆腐をお湯で3分ゆでて湯豆腐にしてみました。味を比べるために、薬味なしで食べ比べ。

 今度は「弾力」「大豆っぽさ」「甘み」「くちどけ」「後味」と5項目で評価してみました。

 そうしたら、今度は「全ての豆腐が全項目で高評価」という結果に。もうねー、分からないんですよ。No.1~4の豆腐なんて同じ評価になっちゃいましたからね。どれも全部おいしい。

 豆腐ごとに個性はあるんですよ。今回の調査では高価なNo.7は鼻に抜ける風味が強いし、No.6は弾力が強いのが特徴的。でも、安いものは弾力がないかというと、No.2もけっこう弾力があります。

 でも、これでは値段の差でははなく、個性の差しか分かりません。どの豆腐にもそれぞれの良さが感じられる。みんな違って、みんないい。……じゃあ、高い豆腐って何が違うのー!?

 分からない、分からないと叫びながら、最終種目「マーボー豆腐」に移ります。マーボー豆腐なんて濃い味付けをしたら、ますます違いなんて分かるわけないじゃないかと、絶望的な気分です。

 ところが、やってみたら意外。マーボー豆腐って豆腐の違いが分かるんです。

マーボー豆腐こそ、豆腐の違いがハッキリ出る

 中華合わせ調味料を使ってマーボー豆腐ソースを大量に作ってお玉で一杯分すくい、豆腐を入れて3分煮てみました。作業自体は簡単ですが、豆腐7種分ともなると、けっこう時間がかかります。

※No.7の豆腐は1丁が小さいので、ソースも少なめにしています

 一目で分かるのが「調理後の豆腐の大きさがまるで違う」ということ。ほぼ同じ切り方をしているのですが、調理過程で崩れる度合いが異なるのです。また、豆腐によって水っぽさにも変化が現れるようです。

 弾力があり歯ごたえのある豆腐だったり、つるっとしていて崩れやすい豆腐だったり、水っぽくない豆腐だったりと、個性が強く感じられました。

 結論:豆腐には個性がある

 いろいろやってみて、このことはハッキリ分かったんですが、依然として「値段が違うと、何が違うのか」はサッパリ。

メーカーに何が違うのか聞いてみた

 もう自分の舌では分からなさそうだったので、メーカーに聞いてみることに。今回、購入したNo.2、4、5、6、7のメーカーであるアサヒコに取材したところ、値段の違いには大きく2つの要因が関わっているそうです。

・製法:より手作りに近いと価格が上がる

・大豆:高い大豆だと価格が上がる

 また、「同じ大豆でも濃い豆乳を使うと値段が高くなる」「国産大豆だと値段が高くなり、甘みが強く、白い色に仕上がる」といった傾向があるとのこと。しかし、「国産は良い、輸入はダメ」というシンプルな話でなく、輸入大豆でもおいしい豆腐はあるそうです。

 「なるほど、そうだったのか! 見た目にも違いが出るのか!」と豆腐を見比べてみたところ、見事にどれも白い。「ま、安いのでいっか」で買っていた筆者には分からない違いがあるのでしょうか……。

●まとめ

 豆腐の値段による違いについては、“シンプルで分かりやすい何か”を見つけることはできませんでした。ただ、違いが全くないわけではなく、マーボー豆腐では豆腐が仕上がりにかなり影響することが分かりました。「好みのレシピと相性のいい豆腐探し」をするのもなかなか楽しそうです。

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P.S. 筆者が一番おいしいと思う『チョコモナカジャンボ』は、我が家の近所のコンビニで販売されているもの。あまりおいしくないのはよく行く業務スーパー。さらにおいしくないのは、自宅の冷凍庫で保存していたもの。

 WebメディアデイリーポータルZ」の取材(2014年)によれば、同製品は「できたて(工場で製造してから時間がたっていない)方がおいしい」そうなので、商品の回転率や保存期間の問題なのではないかと思います。以上、豆腐とは無関係なお話でした。

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豆腐7種で実際に作って、比べてみました