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カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアの各地をつなぐ公営高速鉄道システム「バート(BART)」のコロシアム駅は今月3日、地元NFLナショナルフットボールリーグ)のオークランド・レイダーズとデトロイトライオンズの試合が行われ多くの人でごった返していた。そんななか酔っ払った男性が線路に転落し、ホームにいた駅職員に間一髪で救出された。その様子は駅に設置されていた監視カメラに収められており、素早く対処した職員に称賛の声があがっている。

地元オークランド・レイダーズが勝利を収めた3日の午後5時20分頃、コロシアム駅のホームでは興奮冷めやらぬ様子の多くのファンが電車を待っていた。この日、黄色に蛍光色のラインが入ったジャケットを着てホームで警備にあたっていたのはジョン・オコーナーさん(John O’Connor)で、動画ではジョンさんが立っているすぐ後ろを歩いていた男性の足がもつれ、そのままホームに転落する様子がはっきりと映し出されている。

電車はすぐそこまで迫っており、男性はよろめきながらも立ち上がると、ジョンさんがホームから手を伸ばした。その間ほんの2、3秒だが、ジョンさんは男性の肩を掴み、後ろに反り返るようにしてホームに引っ張りあげている。電車はその直後、線路を走り抜けていった。

間一髪で救出された男性はその後、感極まった様子でジョンさんとハグを交わしており、2人の様子はTwitterで拡散している。24年間バートの職員として働いているジョンさんは4日、男性が転落した駅のホームで地元メディアのインタビューを受け、次のように語った。

「動画で見ると、実際に起こったよりもゆっくりと事が進んでいるように見えるね。あの時はもう考えている暇なんてなかったよ。ちょうどホームに目をやったら男性が落ちて、『もう間に合わない』と思ったから彼の肩を掴んで引っ張り上げたんだ。自分のことをヒーローと呼ぶ人もいるけど、当然のことをしたまでさ。」

「私は電車の運転手として20年間働いたんだ。これまでにも電車に飛び込んできたり、落とした物を拾うためにホームから飛び降りて事故に遭ったり、色々な人を見てきたよ。だからあの状況で男性が助かったのは本当に嬉しいね。命は尊いものだからね。」

「男性を助けた直後は、正直怒りを感じていたんだ。でもそんな気持ちはすぐに吹っ飛んで、安堵感と感謝でいっぱいになったよ。男性には『もう少しで死ぬところだったぞ。この恩を他の人につなげてくれよ(Pay It Forward)』と言葉をかけたんだ。」

『BARTnewsfeed』によると、線路に転落した男性はのちに病院で検査を受けたが、大きな怪我はなかったとのことだ。

画像は『PEOPLE.com 2019年11月4日付「Amazing Video Shows Moment Transit Worker Saves Man from Getting Hit by Speeding Train」(PHOTO:YOUTUBE)』『Tony Badilla 2019年11月4日付Twitter「This #BART worker just saved this man from falling onto the tracks as the train was approaching! Amazing!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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