ソフトバンクは、狩猟関連機器やサービスの企画・開発・販売を行うhuntech(ハンテック)とIoT機器向けのLTE通信規格であるNB-IoTを活用した鳥獣罠センサー「スマートトラップ NB-IoT」を日本で初めて開発。信州大学伊那市有線放送農業協同組合などと共に、長野県伊那市で鳥獣被害の軽減に向けた実証事業を10月から開始した。

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 昨今、野生鳥獣による農作物被害が全国で問題となっている。政府では2023年度までにシカやイノシシの個体数を半減する目標を掲げている。長野県伊那市でもシカやイノシシなどによる農作物の被害が問題となっており、猟友会が捕獲を担っているものの、狩猟者の高齢化が進んでいる上、鳥獣の数に対して狩猟者が少ないため、設置した罠の見回り業務が負担になっている。

 そこで、罠の見回り業務の省力化や鳥獣の捕獲精度の向上を図ることで、伊那市の鳥獣被害を軽減させることを目的に、「スマートトラップ NB-IoT」を活用した実証事業を開始した。期間は2020年3月までの予定。

 スマートトラップ NB-IoTは、くくり罠や箱罠など既存の罠に設置することで、鳥獣を捕獲した際にリアルタイムで管理者に通知する。機器には、磁気センサーやGPS機能、ソフトバンクのNB-IoTに対応した通信モジュールなどを搭載しており、鳥獣が罠にかかったことを磁気センサーが検知すると、事前に登録した管理者のメールアドレスにメールを送信する。

 また、罠の設置場所や日時(設置・作動・捕獲完了時)の情報が管理サーバーに自動で記録されるので、リアルタイムで罠の状態を確認できる。ウェブの管理画面から捕獲した鳥獣の種類や性別、見回り実施者などの詳細な情報を入力することで、「いつ・どこで・誰が・何を」などの捕獲活動ログをいつでも閲覧することができる。さらに、蓄積した情報を鳥獣の行動解析や、トレーサビリティーによるジビエの流通管理、報告書の電子化や自動作成などに利用することができる。

IoTを活用して鳥獣被害を軽減