大場翔太

プロ野球福岡ソフトバンクホークス中日ドラゴンズで活躍した大場翔太さん。競輪選手になるため試験を受けたこともあったが、現在はアルバイトで生活を営むかたわら、YouTubeで野球の魅力などを配信する日々を送っていた。

■チャンネルは2つ

大場さんが配信するチャンネルは2つ。「ばっくすTV」と、「大場翔太ベースボールラボラトリー」だ。2つに分けた理由は、「YouTuberっぽい」の一言に尽きる

大場さんに限らず、多くのYouTuberは「メインチャンネル」と「サブチャンネル」の2つで使い分けている。大場さんの場合、「ばっくすTV」がメイン、「ベースボールラボラトリー」はサブ。

メインとサブの登録者人数には10倍以上の開きがあり、大場さんは「ラボラトリーのほうもチャンネル登録してほしい」と呼びかける。

———開設当初、顔を出さずに声だけでした。

「やる前からYouTubeがかなり難しいのは知っていました。トークスキルも必要。3月の開設当初、『顔出せば?』と周囲から言われていましたが、僕には準備が必要だった。

内容、トークも段階踏まないと絶対増えないと思っていましたので。最近はちょっとうまく喋れるようになってきたかなと思ったので、顔を出すようになりました」

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■ユーチューバーへのきっかけ

———かつて、「YouTubeに救われた」ことがあったとか。

「(現役の時)最後の3・4年間はうまくいかないことが多かった。頑張っても結果につながらない時期があって。やるせなさ、悔しさ、無力感があって…。そんななかで、日々の楽しみは、休みの前に夜ふかしをしてYouTubeを見ることでした」

プロ野球選手は現場だけじゃなくて、家に帰ってからも研究したり、身体のケアしたり…。24時間野球に捧げている中で、YouTubeバラエティとかくだらなくても面白いものを見て、気持ちをリフレッシュ。

で、また明日から頑張ろうかなと。(リフレッシュさせてくれたのは)それだけじゃないけど、(思わせてくれたひとつが)YouTube。ただ、当時は野球やめたらYouTubeやろうと思ってなかったですけど」

■競輪選手の試験は…

———引退後、競輪選手を目指すも、2017・18年と残念ながら不合格となりました。今年はどうなりましたか。

「今年の試験は見送りました。ならない、というかなれなかった立場なんですが、今でも定期的に練習はしてます。朝から晩までのときは、都内を時速20キロくらいで、ロードバイクを使って200キロくらい。ただ、最近は片っ端からやりたいことをやっています。

競輪の試験に1回目ダメだった時から(YouTubeに向けて)動いてはいました。1回目落ちた時から、これからを考えて、競輪目指すならYouTubeやってる場合じゃないとも思うけど、やりたいことは全部やろうかな、と」

■本業は?

———現在はYouTubeが本業なのですか。

「いや、YouTuberとしてはまだ1円ももらえていないです。つい数週間前までは、(収益を得る審査を受けるに必要な条件)チャンネル登録者数1,000人、総再生時間4,000時間に対して、1,000人もいってなかったし、無料どころか、撮影のためにレンタルオフィスネカフェとかにお金を払っているくらい(損失が出ている)。

ただ、お金を稼ぎたいというより好きだからやってます。今はテレオペ(テレフォンオペレーター)と、建設業やってたので資材搬入の2社でアルバイトしてます」

■ユーチューバー1本は厳しい?

再生回数がどの程度に達すると、月にいくら広告収入をもらえるのかなども勉強しているという大場さん。

———現状、YouTube1本でやるのは厳しい、と。

「僕とか(チャンネル登録者数)数千人の動画だと、正直今のままだと月2,000円にしかならないんですよ。ただ、動画作るのに仕事しながらも、頭の中ではYouTubeのことを考えて。

9ヶ月くらいやってるけど、これでは生活できないです。だから1本でやっていくつもりはない。これで1本やるのはプロ野球選手になるくらい難しいです。

でも面白い。1ヶ月前までめっちゃ凝って作っても、再生回数が30回くらい。最近は500回はいく。結果が出ると面白い。それでお金が出たらなお楽しいですけど(笑)

YouTube開設当初、1,000本ほどを練習として作成し、700本は削除するといった試行錯誤を踏む。野球では努力の積み重ねでプロになったように、YouTubeでも血の滲むような努力を重ねているのだ。

大場翔太(おおばしょうた)】

1985年6月27日生まれ/東京都足立区出身/八千代松陰高校、東洋大学を経て、2007年に6球団競合の末、ドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスに入団。2015年中日ドラゴンズに移籍。16年シーズンに現役を引退。プロ通算15勝21敗。2011年8月度には月間MVP受賞している。

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(文/しらべぇ編集部・亀井 文輝

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