プレミアリーグ第12節、リバプールvsマンチェスター・シティが日本時間10日25:30にアンフィールドでキックオフされる。昨季、異次元のリーグタイトル争いを演じた両雄による、今季タイトルレースを占う重要なシックスポインターだ。

今季ここまで10勝1分けのロケットスタートを飾り首位を快走するリバプール(勝ち点31)。前節のアストン・ビラ戦では85分過ぎまで0-1のビハインドを背負った中、DFロバートソンの移籍後リーグ初ゴールに、ほぼラストプレーとなったセットプレーからFWマネに劇的ゴールが生まれ、敵地ビラ・パークでも聖地アンフィールドを彷彿とさせる鮮やかな逆転劇を完遂。試合終了間際の数分間で勝ち点0を勝ち点3に変える会心の試合を披露した。

また、直近のチャンピオンズリーグ(CL)のヘンク戦では試合を通して決定力不足に悩まされながらも、後半序盤のMFオックスレイド=チェンバレンの勝ち越しゴールを最後まで守り切って2-1の勝利。公式戦8試合連続失点はいただけないものの、昨年9月末から続くホームでの公式戦無敗記録を「29」に更新している。

一方、格下ノリッジ、ウォルバーハンプトン相手に苦杯を舐めるも、ここまで8勝2敗1分けの戦績で2位を維持するシティ(勝ち点25)。前節のサウサンプトン戦ではリバプール同様に先制を許す苦しい展開となったが、DFウォーカーの1ゴール1アシストの活躍もあって最終的に2-1のスコアで逆転勝利。首位チームと勝ち点差6を維持して敵地での大一番に臨むことになった。

直近のCLアタランタ戦では守護神エデルソンの負傷交代に、控えGKブラーボの一発退場によって1-1のスコアで残り10数分を戦う苦境に立たされたが、サウサンプトン戦でもチームを救ったウォーカーが今度は“急造GK”として逃げ切りに貢献し、敵地から無事勝ち点1を持ち帰ることになった。

共に驚異的な勝負強さで勝ち点を積み重ね、現在のチームパフォーマンス自体に大きな差はないが、圧倒的なホームアドバンテージと負傷者の少なさを考えれば、リバプール優位とみて間違いない。

なお、今季開幕前に行われたコミュニティー・シールドは1-1のドローの末、PK戦を制したシティに軍配が上がっている。また、昨シーズンのリーグ戦の直接対決はシティの1勝1分け。昨年10月のアンフィールドでの対戦ではFWマフレズのPK失敗もあってゴールレスドローとなっている。

リバプール
【4-3-3】

リバプール予想スタメン
(C)CWS Brains, LTD.

GK:アリソン
DF:アーノルド、ロブレン、ファン・ダイクロバートソン
MF:ヘンダーソン、ファビーニョ、ワイナルドゥム
FW:サラーフィルミノ、マネ
負傷者:DFマティプ、クライン、FWシャキリ
出場停止者:なし

出場停止者はいないが、U-17ワールドカップ参戦中のDFフーフェルが起用できない。負傷者に関してはマティプ、クライン、シャキリの3選手が引き続き欠場となるが、それ以外の全選手の起用が可能だ。

スタメンに関してはマティプの代役にロブレンが入る以外、前述のベストメンバーが起用される見込みだ。


マンチェスター・シティ予想スタメン
(C)CWS Brains, LTD.

GK:ブラー
DF:ウォーカー、ストーンズ、フェルナンジーニョ、メンディ
MF:デ・ブライネ、ギュンドアン、ベルナルド・シウバ
FW:マフレズ、アグエロスターリング
負傷者:GKエデルソン、DFラポルテ、MFジンチェンコ、ロドリシルバ、ザネ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはラポルテ、ジンチェンコ、ロドリ、ザネの4選手に加え、筋肉系にトラブルを抱えるキャプテンのシルバと守護神エデルソンを欠くことになる。

スタメンに関してはエデルソン、ラポルテシルバロドリのポジションにブラーボ、ストーンズ(オタメンディ)、ベルナルド・シウバ、ギュンドアンを据え、右ウイングにマフレズを置くことになりそうだ。また、ウォーカーをセンターバックの一角に置きカンセロを右のウイングバックに置く変則的な[3-4-3]の奇策に打って出る可能性もあるかもしれない。

★注目選手
リバプール:MFファビーニョ
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リバプールの注目プレーヤーレッズ中盤に君臨するファビーニョだ。昨季、モナコから鳴り物入りで加入しシーズン終盤から抜群の存在感を放った26歳のブラジル代表MF。加入2年目となった今季は開幕から公式戦16試合に出場。すっかりと板についたアンカーのポジションでホールディングロールを完璧にこなしながら、要所でヘンダーソンやワイナルドゥムと役割を変えながら攻撃面での積極性も光っている。

今シーズン、ここまでのハイライトは2-1で勝利したトッテナム戦。強靭なフィジカル、運動量、ポジショニングセンスを武器にセカンドボールをことごとく回収し、被カウンター時も冷静に対応。チームが押し込んだ中で的確な配球でリズムを作る、獅子奮迅の働きを見せた。昨季から実力が拮抗する対戦相手の試合では常に存在感を放っており、今回のシティ戦では持ち味のバランス感覚を生かして相手のパスワークへの対応、徹底したリスク管理で攻撃の軸を担う両サイドバックの果敢な攻撃参加を促したい。

マンチェスター・シティ:FWラヒーム・スターリング
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シティの注目プレーヤーは古巣対戦となるスターリングだ。世界的な名将グアルディオラの下、年々コンプリートアタッカーへ近づく24歳の俊英は、今シーズンもここまで公式戦16試合で14ゴール5アシストと、チャンスメーカーとフィニッシャーというマルチタスクを高次元でこなしている。

今回の古巣対戦に向けては守護神エデルソンやラポルテロドリらの不在によって守備面が大きな懸念材料となっており、メンバーが揃う攻撃陣の活躍がシックスポインターを制すカギになるはずだ。その中で直近のコミュニティー・シールドで対リバプール11戦目にして初ゴールを記録した勢いを生かしたいところだ。また、相手の攻撃のキーマンの1人である同胞アレクサンダー=アーノルドの攻撃参加を封じるうえでサイドでのマッチアップをいかに優位に進められるかも重要だ。
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