生徒たちを楽しませたい。化学に興味を持ってほしい。そんな思いから「ある実験」をしてみせた教師の大失敗で、ひとりの生徒が大変な火傷を負うという出来事があった。
生徒はひどい痛みと治療に耐えたが火傷の痕が残ったままで、熱中していた趣味さえも楽しめなくなってしまったという。
■実験の失敗
今年8月のこと、米ジョージア州にある高校で行われた化学の実験で大変な事故が起きた。「みんなをワクワクさせたい」との思いから実験を披露することにしたのは教師で、液体に浸した紙幣に火を放つも紙幣は燃えずに終わるはずだったというが、失敗に終わったという。
このとき教師は火を消そうとあせり、手元にあった液体をかけて鎮火を試みたとのこと。しかしそれが水ではなくアルコールだったせいで、火はさらに大きく燃え上がり、近くに座っていた男子生徒(16)に燃え移ったという。
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■大火傷を負った生徒
生徒に火が燃え移ったことに気付いた教師は、ショックを受け茫然と立ち尽くしてしまったとのこと。そんな中この生徒は顔、首、胸部や手などに大火傷を負い、その後に搬送された先で痛い治療に耐え手術も受けたという。
しかし火傷はひどく、耐え難い痛みのせいで大好きだった楽器演奏やスポーツもできない状態が続いたと明かしている。
■教師の釈明
教師はこの失敗につき、「何年も実施し成功していた実験でした」と釈明し、また水ではなくアルコールを火にふりかけたのは「故意ではなくアクシデントだった」と説明。
しかし当局は、この重大な失敗につき「鎮火しようとしたのか、それともアルコールで火をさらに燃え上がらせ生徒に見せようとしたのかは不明」との見解を明かしている。
なおこの教師は前日にもこの実験を試したというがやはり失敗しており、それでも同じ実験をしたことで生徒にとんでもない火傷を負わせてしまった。
■訴訟問題に発展
この件で、生徒の家族は学校を提訴すべく弁護士を雇用。問題の教師は今は休職中だというが、給与は支払われているという。
校長はこの教師につき「大変な失敗をしてしまったものの、良い先生です」と擁護。「ただ実験室での授業を安全に行えるよう訓練を受けるべき」との考え方を示し、解雇には至っていない。
学校は安全な場所という考え方が今も根強いが、このケースで「安心できない」「こんな実験は不要」「解雇したほうが良い」という声も少なからず上がっている。
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