中国メディア・東方網は11日、台湾の鴻海グループ傘下にあるシャープのツイッターアカウントが、ある行動により注目を集めたと報じた。

 記事は、先日同社のツイッターアカウントが「あまりにも正直すぎる」ことで注目され、人気が急上昇したと紹介。それは、お勧め商品を紹介してほしいというネットユーザーの問い合わせに対して、同社のアカウントが他社製品を推薦したことによるものだと伝えた。

 そして、同社のアカウントがゲーム用のモニターのお勧め商品を質問したユーザーに対し「他メーカーのほうがいい」、「全録レコーダー」についての質問には「全録なら東芝さんへ」、食器洗浄機の問い合わせには「食洗器やってないのでパナソニックさんへ」とライバル企業の名前を出して回答したことを紹介している。

 記事は、今回のシャープツイートは些か不思議なものであり、通常ならば多くの会社はライバルの製品を推薦したりなどしないとし、この行動は会社やブランドのイメージアップを狙ってやっていることなのか、それとも純粋に他社の製品をお勧めしているのか、と疑問を呈した。

 そして、「もし前者であれば、このような手法を取らざるを得ないほどシャープの経営状況が厳しいという見方もできるが、もし後者であるならこれはシャープに喝采を送るべきだろう。なぜなら、自分の企業ができないこと、至らないことをはっきりと認識できているうえ、たとえ他社製品であってもより良い物を消費者の手に届けようという姿勢が見えるからだ。このような姿勢は多くの企業が学ぶべきである」と論じた。

 最後に記事は、シャープが実際にどのように考えているかにかかわらず、今回の件が話題になったことで同社に対する注目は高まることになったとしている。

 SNSを使ったPRは「諸刃の剣」だ。配慮のないツイートにより炎上してそのイメージを大きく下げてしまう事例がしばしばニュースになるが、その一方でシャープのアカウントのようにいい意味で話題を集めるケースもある。その差は、その管理を含めてSNS広報にどれだけ力を入れ、投資をしているかに加え、「中の人」の情報倫理、発信能力、そして、センスによって生じるようである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

他社製品を紹介するシャープの潔さに、中国メディアも「学ぶべき姿勢かもしれない」と注目