ルイス・キャパルディの「サムワン・ユー・ラヴド」が返り咲きの首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 前週、セレーナ・ゴメスの新曲「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」がトップに浮上したことで2位に下降した「サムワン・ユー・ラヴド」だが、エアプレイが依然好調で、今週も1億1,000万回を記録して2週目のチャート1位を維持し、Hot 100でも2週目の首位に返り咲いた。デジタル・ソング・セールス・チャートでは、週間13,000ダウンロードを記録し8位から7位に、ストリーミング・チャートでも、週間2,400万試聴を記録して11位から9位にそれぞれランクアップしている。

 一方、セレーナ・ゴメスの「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」は、今週5位まで大きく順位を落としている。原因は、セールスが大幅に減少したこと。先週の39,000から16,000まで60%近くダウンロード数が減少し、デジタル・ソング・セールス・チャートでも1位から4位まで下降した。ストリーミング・チャートでも1位から3位にダウンしているが(2,640万視聴)、エアプレイ・チャートでは週間3,460万回を記録して、41位から26位にランクアップしている。ラジオで火が付けば、今後再ランクアップも十分見込める。

 先週3位にランクアップしたポスト・マローンの「サークルズ」は、今週2位に上昇し最高位を更新した。デジタル・ソング・セールス・チャートでは5位から3位に(16,000ダウンロード)、ストリーミング・チャートでは9位から6位に(2,450万視聴)、エアプレイ・チャートでは4位を維持している(8,360万回)。同曲のヒットを受けて、収録アルバム『ハリウッズ・ブリーディング』が今週のアルバム・チャートで返り咲き、通算5週目の1位獲得を果たしている。首位獲得が実現すれば、「ロックスターfeat.21サヴェージ」(2017年)、「サイコfeat.タイ・ダラー・サイン」 (2018年) 、そして今年1月に記録した「サンフラワーwithスウェイ・リー」に続く4曲目の快挙達成となる。

 ショーン・メンデスとカミラ・カベロの「セニョリータ」は4位から3位にTOP3復帰し、7週間トップを独占したリゾの「トゥルース・ハーツ」は5位から4位に、それぞれ上昇した。「トゥルース・ハーツ」は、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートで11週目のNo.1獲得を果たしている。リゾは、2曲目のTOP10入りを果たした「グッド・アズ・ヘル」も好調で、今週も6位をキープして主要ポイントを上昇させている。

 先週の11位から9位に上昇したのは、マルーン5の新曲「メモリーズ」。デジタル・ソング・セールス・チャートでは11位から9位に(18,000ダウンロード)、ストリーミング・チャートでは26位から19位に(1,660万視聴)、エアプレイ・チャートでも13位から11位に(5,770万回)それぞれ順位を上げている。

 マルーン5は、初のTOP10入りを果たした「ディス・ラヴ」(2004年 / 5位)から15年間で通算15曲目のTOP10入りを果たし、2000年代以降のグループ/デュオのもつ最高記録をさらに更新した。なお、2番目は9曲がTOP10入りしたブラック・アイド・ピーズで、ワン・ダイレクション(6曲)、ザ・チェインスモーカーズ(5曲)が続く。マルーン5のTOP10入りは、昨年通算7週の1位を記録した「ガールズ・ライク・ユーfeat.カーディ・B」以来約1年ぶりで、その他には「メイクス・ミー・ワンダー」(2007年)、「ムーブス・ライク・ジャガーfeat.クリスティーナ・アギレラ」(2011年)、「ワン・モア・ナイト」(2012年)の計4曲が首位獲得を果たしている。

 カントリー・デュオ=ダン+シェイと、ジャスティン・ビーバーによるコラボ・ソング「10,000アワーズ」は、先週の12位から10位にTOP10復帰し、カントリー・ソング・チャートでは、5週目のトップを維持した。「オールド・タウン・ロード」のような爆発力はないが、カントリー・ファンを巻き込みエアプレイが上昇すれば、初登場の4位を上回るかもしれない。

 TOP10以下では、ヤング・サグの「ホット」が先週の35位から11位に大きく順位を上げている。ラッパーのガンナに加え、トラヴィス・スコットが参加したリミックスのリリース効果により、セールス、ストリーミングが上昇。ミュージック・ビデオも同日に公開され、主要各ポイントを伸ばして最高位を更新した。この曲のヒットを受けて、8月にリリースされたアルバム『ソー・マッチ・ファン』も今週のアルバム・チャートで7位まで上昇している。

 その他、ジョナス・ブラザーズの「オンリー・ヒューマン」が22位から19位にTOP20入りし、SNSで火が付いたオーストラリアのシンガーソングライター=トーンズ・アンド・アイの「ダンス・モンキー」が41位から23位に急上昇。デュア・リパの新曲「ドント・スタート・ナウ」が30位に初登場するなど、下位でも目ぼしい新曲が続々登場している。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、11月15日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「サムワン・ユー・ラヴド」ルイス・キャパルディ
2位「サークルズ」ポスト・マロー
3位「セニョリータ」ショーン・メンデス&カミラ・カベロ
4位「トゥルース・ハーツ」リゾ
5位「ルーズ・ユー・トゥ・ラブ・ミー」セレーナ・ゴメス
6位「グッド・アズ・ヘル」リゾ
7位「ノー・ガイダンス」クリス・ブラウンfeat.ドレイク
8位「パニーニ」リル・ナズ・X
9位「メモリーズ」マルーン5
10位「10,000アワーズ」ダン+シェイfeat.ジャスティン・ビーバー

【米ビルボード・ソング・チャート】ルイス・キャパルディ首位返り咲き、マルーン5が記録更新