毎年恒例となっている、総理主催の「桜を見る会」。平成最後となった今年も各界の功労者などが招待され、新宿御苑で開催された。

 この桜を見る会について野党が問題視しているのが、年々増え続ける招待客と開催費用だ。共産党の田村智子参院議員は8日の国会審議で、「安倍総理のもとで参加者数・支出額が年々増えている。2014年を見ると参加者1万3700人、支出額3005万円で予算の1.7倍。ここから伸び続けて、今年は参加者1万8200人、支出額5520万円で予算の3倍を超えた」と徹底追及。さらに、その中身についても「安倍総理に近い議員の地元後援者が多すぎるのではないか」と畳み掛けた。

 また、安倍総理について田村議員は、桜を見る会の前日に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」が開催され、850人もの後援会関係者が参加したことも指摘。ある下関市の後援会会員は、総理の地元事務所から桜を見る会の案内が届いたと証言しているという。

 これに対し、安倍総理をはじめとして回答は「各界において功績・功労のあった方々を、各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待している」と一貫している。招待者の選定理由について安倍総理は「個人情報であるため回答を差し控えさせていただいている」と説明した。

 一方、石破茂元幹事長は“招待枠”について自らの役職時代を振り返り、「党の役職をしている時、そんな枠があったけど使ったことはない。それは期数(当選回数)の若い方々の後援者の方々が、仮に枠というものがあるとすれば、そういうものを少しでも分けてあげるというのが私は大事だと思ってきた。事実がわからないから一般論でしかお答えができない」と言及。

 二階幹事長は、参加者を自民党議員に割り当て、自身がその枠で招待したかについて問われると、「あったって別にいいじゃないか。問題になるようなことはあるのか」と述べた。

 桜を見る会は1952年から始まり、今年で64回目。民主党政権時代も鳩山総理主催で行われている。次々と浮上する問題点について、野党は合同で調査チームを立ち上げ追及していく構えだ。

 「安倍総理のもとで参加者数・支出額が年々増えている」という野党の指摘について、東京工業大学准教授の西田亮介氏は次のような見解を述べる。

 「第2次安倍政権以降、参加者とそれに係る経費が増えていることは事実だが、それ以上でも以下でもない。5000万円程度の予算は生活者からするととても大きな金額に思えるが、国家予算の一般会計が100兆円、特別会計を合わせると300兆円あると言われていて、その規模からすると極めて些細な問題とも言える部分はある。この他にも重要な問題やお金の無駄遣いはいろいろとあるのではないか」

 また、この議論をめぐっては「違法行為があるかどうかがポイントになる」と指摘。「各界で功績功労を上げたということを量的に比較することは恐らくできず、直接の違法行為が出てくるかというと難しい気もする。道義上の問題に関しては、僕は大変さもしい問題だと思うが、違法でなければ問題はないという人もいて、人によってまちまち。そういった時に、政権を倒すところまでつながっていくかどうかは、選挙を通じて他の条件と合わせて評価してもらうしかない」との見方を示した。

 では、野党はなぜ今この問題を取り上げるのか。追及するネタがないことの表れなのだろうか。西田氏は「閣僚の辞任が相次ぎ、大学共通テストの英語の問題は先送りしただけで解決していないはずだが、メディアでも取り上げられるような大きく盛り上がるポイントが見つけられていないのかもしれない。国会を通じて野党にも光が当たる瞬間は必要で、予算的に極めて小さい慣習化している問題を取り上げたのかもしれない」とした上で、有権者へは「選挙の時までこういう事実を覚えていることが重要。一つひとつを直接政権の判断に結びつけるよりも、それらを集積させた上でどの政党を選ぶのか、今の政権を支持するのかを決めるといいと思う」と述べた。
AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
 

映像:今年の「桜を見る会」の様子

安倍総理「桜を見る会」“私物化”の実態と野党追及の背景を考える