「手のひら返し」とは、このことだ。
サッカーのスペイン・リーグ、マジョルカに所属する日本代表MF久保建英(18)が10日、本拠地で行われたビジャレアル戦で、欧州4大リーグ日本人最年少ゴールを決めた。後半、ペナルティーエリアの外から、ゴール右隅に左足で豪快なミドルシュートを突き刺した。07年に森本貴幸(カターニャ)が初得点を記録した「18歳8か月」より3カ月早く達成。前半2得点のPKも久保から生まれたもので、全3得点に絡む活躍で3―1の勝利に導いた。
名門レアルマドリードから、出場機会を求めてレンタル移籍。デビュー当初はPK獲得やアシストなどで好スタートを切ったが、その後は苦戦。大きな注目を集めながら力を発揮できない久保に対して、否定的な見方をするスペインメディアも増えていた。そうして迎えた移籍10戦目。苦境を抜け出すきっかけとなりそうな初ゴールに、多くの地元メディアが称賛の嵐だ。
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各地元紙の評価
◆エル・パイス紙
「レアルマドリードでのプレシーズンマッチで際立っていた新たな宝石が、リーガでの出場試合の中で最高のパフォーマンスを左足ゴールで締めくくった」
◆ディアリオ・デ・マジョルカ紙
「非常に高いレベルにある。今日のように、完全に違いを作り出せる久保は、いつもプレーすべき存在」
◆ウルティマ・オラ紙
「久保が偉大な主役だった」
◆エス・エスパニョール紙
「惑星レベルのパフォーマンスだ。これが久保の始まり。『解放』の日になった」
◆マルカ紙
「決定的な仕事でビリャレアルに敗北を宣告した。マジョルカでレギュラー獲得に苦戦したが、徐々に定着しつつある」
◆アス紙(出場選手採点の中で唯一最高3点をつけ)
「久保のキャリアの中で『その前』と『その後』を分ける試合。大きな転換点になるであろう一戦だった。PKを誘発し、スーパーゴールを決め、高いクオリティーを示した」
久保「ゴールは僕に命を与えてくれるもの」
マジョルカのモレノ監督もほめちぎった。「今日は久保がスタメン出場し、我々が勝利した初の試合。彼は素晴らしい選手であるし、もっと良くなるだろう。彼はチームに貢献し、より頻繁に攻撃と守備に顔を出していた。ゴールは、我々に落ち着きや安らぎを与えてくれるものになったし、終盤、最高の形で臨むことができた。すごいゲームをやってくれたよ」。
「10試合目」には不思議な縁がある。今年夏までプレーしたJリーグのFC東京でも、期待されながら初ゴールは開幕10試合目だった。そこから上昇気流に乗り、2戦連発、複数得点をマークするなどチームの中心として機能した。いくら個人技があっても、チームとの連動なしに活躍できるほど、甘い世界ではない。新チームにフィットするために、必要な「10試合」といえるかもしれない。
久保は「ゴールは僕に命を与えてくれるもの。毎晩あの瞬間を夢見ていたし、それがやってきた。とてもうれしい」。普段は自分をほめない18歳が、珍しく感情をストレートに表現して喜んだ。
世界最高峰リーグで一気にブレークする予感も漂わせながら、東京五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表に合流する。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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