眞於(桜井ユキ)にフラれたことで理人はバイオリン教室を今月いっぱいでやめると決心していた。
義母が在宅介護になってしまった幸恵(松下由樹)も、バイオリン教室を続けられなくなってしまった。

バイオリン教室に救われた幸恵と也映子
最後のレッスン日。「行けない」と言っていた幸恵が時間を割いて来てくれた。
「私ね、いろいろあって、今もだけど半年前も。詳しくは言えないんだけどいろいろあってね。まあいろいろあったのは私だけじゃないと思うけど。私この教室で眞於先生にバイオリンに習って、也映子ちゃんや理人くんと一緒に一生懸命練習したり、どうでもいいこと喋ってる時間が本当に楽しかった。ここに来て本当に良かった。私、ここで救われました」
涙を浮かべながら明るく挨拶する幸恵。
うん。練習したり、どうでもいいこと喋ってる3人、楽しかったなあ。このシーンが無くなってしまうのは少し寂しい。

也映子もバイオリンで救われていた。
婚約破棄された夜、たまたまテレビで流れていた映画か何かで、相手を破壊していくシーンの音楽が「G線上のアリア」だった(エヴァンゲリオンだと思われるが名言されていない)。だから「G線上のアリア」は也映子にとって「恨みとか復讐の象徴みたいな曲だった」らしい。
「(発表会で)G線弾けたってこととか、先生に褒めてもらえたのが嬉しくて。乗り越えられたのかなって思います」
婚約破棄から約半年、也映子も、もがきながら少しづつ前に進んでいる(未だ無職の也映子は「サバイバルウエディング」(全話レビュー)の黒木さやか(波瑠)に比べると随分のんびりしているが、現実は也映子みたいに引き摺ると思う。ちなみに原作だともっとゆっくりしたペースだ)

理人は後悔していた。也映子には胸の内を明かしている。
「やっぱバイオリン教室に行ったのが間違いだった。諦めてんのに。会った時からずっと。8歳も年下のガキ相手にしてもらえないって頭では分かっているのに。告白までしてフラれてるのに」
也映子に「(最後、先生に)次は外で会ってもらえますか、ぐらいのこと言っちゃえばいいんだよ!」とアドバイスされていたが、やっぱり理人は何もできなかったのだ。

手を繋ぐふたり
最後のレッスンの帰り道。他愛のない会話をしながら理人が自然に也映子の手を取る、繋ぐ。
んんんんん? 先週みたいにお酒飲んでないよね? これで最後だという名残惜しさか。なんなんだ?
発表会後の「シャッタードン&今日かわいい」を酔っ払って覚えてないと理人は言っていたが、果たして本当か?
手を繋いだまましばらく手を歩くふたりの姿は、はたから見れば恋人だ。

別れ際、理人が何か言いかけて「頑張ってよ、婚活」と声をかける。
「就活ね。そっちも頑張ってよ。眞於先生、可能性なくはないよ」

「じゃね!」と別れたふたりだったが、理人が言いかけたのは「次は外で会ってもらえますか」だったのかも。
いや、どうかなぁ。
(イラストと文/まつもとりえこ)


『G線上のあなたと私』
火曜よる10時 TBS系列 ※11月12日は世界野球の状況により放送時間が変更の可能性あり

出演:波瑠 中川大志 松下由樹 桜井ユキ 鈴木伸之 滝沢カレン 小木博明(おぎやはぎ) 夏樹陽子 ほか
原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』 集英社マーガレットコミックス・全4巻
脚本:安達奈緒子(『きのう何食べた?』、『コード・ブルードクターヘリ緊急救命―THE THIRD SEASON』ほか)
音楽:末廣健一郎 MAYUKO
主題歌:緑黄色社会『sabotage』ソニーミュージックレーベルズ)
演出:金子文紀 竹村謙太郎 福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
製作:TBSスパークル TBS

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イラストと文/まつもとりえこ