今から約1年半前、米ニューヨークでシェフとして活躍していた男性が男に襲われ重傷を負った。男性は現在も入院中だが、犯人の男はすでに出所しており、男性の母親が『The Sun』『Metro』のインタビューに応じて辛い胸のうちを明かした。

ニューヨーク在住のスティーブン・オーガスティンさん(Steven Augustine、32)は昨年5月28日午後11時頃、仕事を終えて自宅に向かう途中で男に襲われた。スティーブンさんは頬骨や鼻を骨折し、頭蓋骨の一部が粉々に砕けて脳内出血を起こしており、搬送先の病院で緊急手術を受けた。

事件から約1年半が経つが、スティーブンさんは身体の左半分が麻痺し、呼吸器をつけて今も入院中だ。医師らは手術で頭蓋骨の左半分を切除してチタン製のメッシュと置き換えたが、2度の感染症によりメッシュは取り出された状態で、スティーブンさんの頭蓋骨は大きく陥没している。今後は脳を保護するためにプラスチック製の頭蓋骨を埋め込む手術が予定されているが、体調は決して万全とは言えないようだ。

約1年前にスティーブンさんを襲ったのはチャールズ・マイルズ(Charles Miles)という男で、警察の取り調べに対し「金のことで口論になり、一度だけ顔を殴った。その後、スティーブンは後頭部から地面に叩きつけられるようにして倒れた」と供述し、軽犯罪で72日の有罪判決を受けていた。

しかし医師らは「スティーブンさんは顔と頭蓋骨の4か所に骨折が認められ、怪我は一度殴っただけでできるものではない。鈍的外傷によるもので、野球のバットで殴られた可能性が高い」と述べており、母親のドナさん(56)はチャールズのあまりにも軽い刑罰に憤りを隠せない様子でこう語った。

スティーブンは床ずれに苦しみ、慢性的な感染症と闘っています。肝臓への損傷を防ぐための薬も欠かせず、最近は頻繁に発作を起こすようになり容態は悪くなる一方です。」

「ただ、私が病室の戸を開けると目を開けるのです。そして瞬きでイエスとノーを伝えます。7歳と11歳の息子たちがやってくると、スティーブンは毎回涙を流します。また子供たちもそんな父親を見て泣いているのです。」

「この事件でスティーブンの一生は台無しになってしまいました。この状態で再びシェフとして活躍できるのでしょうか。子供たちと魚釣りに行けるのでしょうか。息子を襲ったチャールズはすでに出所しているのです。医師の診断書を無視し『危害を加える意思はなかった』というだけで重罪にならないなんて、これは到底許せるものではありません。」

なお『ABC7NY』は、チャールズが警察への情報提供者として働いていたため特別な待遇を受けたのではないか、また防犯カメラの映像の開示もされていないことから、警察がなんらかの情報を隠しているのではないかと指摘している。これについてはドナさんも承知しており、当局への不信感は募るばかりのようだ。

フルタイムで仕事をし、毎日片道2時間を運転して息子に会いに行くドナさんは「スティーブンのそばに少しでも長くいてあげようと思っています。手術が成功して1日も早く退院できるよう祈るしかありません」と溜息交じりに明かしている。

画像は『The Sun 2019年11月8日付「CAVED IN Dad left paralysed with half a skull and ‘sunken’ brain after brutal attack by thug who gets just two months in jail」(Credit: Caters News Agency)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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