先日の記事で取り上げましたが、元カルビー会長の松本晃さんが「ダイバーシティーと働き方改革は同時に進めないと意味がない」とおっしゃっていらっしゃいましたが、どういう意図なのか、もう少し調べてみました。

ダイバーシティーが重要なことは皆さんも感じられていることでしょう。カルビーでは女性の登用を積極的に進めており、8年間で女性管理職の比率を4倍まで引き上げました。具体的には2010年春に5.9%だった女性管理職の比率を18年に26.4%にまで上げたということです。

発想の根源は、「世の中の半分が女性なのだから、使わないで戦えるのか?」というもの。ただ女性を登用するためには、個々人にあった働き方を容認する必要があります。例えば、カルビーの場合は小学生の子供が2人いる女性の執行役員に、毎日夕方4時に帰るように、松本氏が命令し実際にやってみたところ、結局、本人にも会社にも何の問題も起きなかった、とのことです。

このように、働き方改革は目的ではなく手法と捉えなければならないことを松本さんはおっしゃっているのです。

ダイバーシティーというと日本企業の場合は、まずは女性の登用から始まり、ハンディキャップを持たれている方、外国人LGBTの方たち、というのが通念かも知れません。ダイバー
シティの重要性については最近ではラグビー日本代表チームの例が上げられます。

外国人の活用で成功したラグビー日本代表チームは、OneTeamスローガンで、海外出身選手が多くを占めています。今回日本チームベスト8に進出できたのは、間違いなくダイバーシティーメンバーだったからです。元々は、故平尾誠二さんが日本代表監督だった時に海外出身選手を日本代表に召集したことが始まりだったようですが、今はこれが当たり前になっています。誰もラグビーチームダイバーシティーに異論を唱えたりしません。

彼らの多くは日本のトップリーグ参加企業に所属し各企業とプロ契約をしています。一方で一部、トップリーグ参加企業の社員として給与収入で生計をたてている選手もいるようです。外国人は殆どプロ契約のようですが、トップリーグ以外にも南半球のプロリーグであるスーパーラグビーにも属している選手もいます。

このように考えると企業としての競争力強化、人材増強のためにもダイバーシティーは不可欠であり、ダイバーシティーを確保するためには、一律の働き方ではない働き方改革が必要とつながります。

今後、ダイバーシティーはもっと増えてくるに違いありません。企業で言うと正規雇用の社員だけでなく、パートタイムの正社員、季節労働の正社員、他社の社員でありながら週2日だけ
ある企業の仕事をする、等々、ラグビーのプロ契約ではありませんが、様々な契約形態の人も出てくるでしょう。日本企業の場合、人材保護の観点から請負契約のハードルが高いこともあり、今後益々契約形態のダイバーシティーも活用されていくと考えられます。

そう考えるとダイバーシティーにより働き方改革は同時に進めないと意味がない、という言葉がより現実性を持っていきます。
残業を減らす、テレワークを推進する、はあくまでも手段です。契約形態の多様化なども念頭におき、どのような多様化したチームにすれば競争力が発揮できるのか、を考えなければ本当の意味でのダイバーシティーの推進や、働き方改革によるダイバーシティーのサポートはできないでしょう。

ダイバーシティーと働き方改革