13日に今シーズン限りでの現役引退を発表したヴィッセル神戸の元スペイン代表FWダビド・ビジャが、これまで所属してきたクラブへの感謝を述べた。

「今の自分があるのはスポルティング・ヒホンのおかげだと思っています。自分の夢だった“プロサッカー選手になる”ことを実現させてくれました。レアル・サラゴサに籍を置いたことで、スペインの子どもたちの多くが願っている“1部リーグプレーする”という夢を実現できましたし、タイトルも2つ獲ることができました」

「私はキャリアの中で、最も長い時間をバレンシアで過ごしました。街としても素晴らしい場所です。大きな舞台でプレーをすることで、自分の存在をより多くの人に知ってもらう機会を与えてくれました。このクラブを通してスペイン代表にも定着できました。自分の長女と次女はバレンシアで生まれましたし、とても大切な場所です」

バルセロナでは、多くの人が史上最高と呼ぶチームの一員として、素晴らしい3年間を過ごすことができました。ほとんどの選手には、そのようなチャンスはめぐってこないと思います。アトレティコ・マドリードは1シーズンと短い時間でしたが、とても濃密な時間で、リーグタイトルを獲得することができました」

「物心のついた子どもの頃から、スペイン代表の赤いユニフォームを着ることが夢でした。その夢を実現させ、ワールドカップや欧州選手権のタイトルを獲ることができました。本当にサッカー選手のキャリアとしてこれ以上ないほどの経験をする機会を与えてくれました」

「今在籍しているヴィッセル神戸では、自分も家族も体験したことのなかったことをいろいろと体験できました。(神戸は)私のことを信じてくれました。確かにキャリアを重ねていましたが、年齢を重ねていた自分を信じてくれたことを本当に感謝しています。スタッフの皆さんを含め一人一人に感謝したい。ヴィッセルでの時間は素晴らしいものでしたし、これからもここで過ごす時間は素晴らしいものとなるでしょう」

「すべてのクラブとスペイン代表、そこで働いているスタッフの皆さんやファンの皆さんに、心からの感謝の言葉を述べたいと思います。周りの方が流してくれた汗によって自分が存在できていると思いますし、周りの方たちは自分にとって欠かせない存在であったということは間違いありません」

 現在37歳のビジャは、2001年にスポルティング・ヒホンでプロデビュー。レアル・サラゴサやバレンシアで活躍し、2010年に移籍したバルセロナで数多くのタイトルを獲得した。その後はアトレティコ・マドリードなどでのプレーを経て、今季からヴィッセル神戸に加入。ここまでリーグ戦26試合に出場し、チームトップの12ゴールを記録している。また、スペイン代表としては通算98試合に出場し、歴代最多の59ゴールを記録。ユーロ2008、2010年南アフリカW杯では得点王に輝く活躍でスペインを優勝に導いた。

引退発表会見に臨んだビジャ [写真]=吉田孝光