女子高生(DAJ/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

埼玉県警捜査一課と少年捜査課、越谷署、吉川署などの合同捜査班は12日、監禁と強盗、窃盗の疑いで、川口市道合に住む自営業の男(20)ら高校3年の少女2人を含む17~20歳の男女5人を逮捕した。しらべぇ取材班は、埼玉県警などから話を聞いた。

■「警察に行くかボコられるか…」

逮捕容疑は、埼玉県居住の自営業や配送業の男ら3人と、東京都葛飾区居住の女子校生(18)と東京都墨田区居住の女子高生(17)が共謀のうえ、9月12日午前3時50分ごろから同5時半ごろまでの間、越谷市のホテルに会社員男性(27)誘い出した。

その後、この男性を普通乗用車の中に監禁し、「警察に行くか、ボコられるか、どうする」などと脅迫。現金約4万3千円の入った財布を奪い、男性のキャッシュカードを使って、コンビニのATMから現金6万円を引き出したもの。県警は認否を明らかにしていない。

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■同様の事件が複数発生

捜査一課によると、東京都内の私立高校3年の少女が、出会い系アプリを通じて男性をホテルに誘い出すと、少女の交際相手を名乗る20歳男性ら3人が現れ、刃物のようなものを突き付けて脅した。さらに男性の自宅を訪れ、両親からも現金を取ろうとしたという。

男性にけがはなかった。県警は防犯カメラなどの捜査から犯行を特定。越谷市周辺では9月から10月にかけて、同様の恐喝事件が数件発生。男らは余罪を数件ほのめかしており、県警は関連を調べている。

■年齢引き下げ議論は対立

このような高校生らによる美人局(つつもたせ)事件が相次いでいるため、「少年法の年齢を引き下げるべき」という声もあがっている。法務省法制審議会の少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会では、3年以上に渡って引き下げの議論が続いているが、意見は対立。

18歳及び19歳のほとんどが学校教育を受け、多くが親の扶養下にあり、その成熟度が以前よりも低くなっていることなどについては、ほぼ一致した認識があると考えられる。

また、非行に及ぶ少年は、児童虐待な どの被害体験が多いことが実証されているうえ、経済的な困窮の中に生活していたり、知的障害や発達障害などの問題を抱えている場合も少なくない。

■矛盾するのではないか

なおかつ、これらの人を社会の一員として迎え入れるために、健全育成を図る見地から保護・教育を行い、その自立を支援していくことが課題となっている。

児童福祉の分野では、児童自立支援事業が18歳を超えて大学まで延長されるなど、対象年齢を引き上げる動きがあり、他方で、少年の立ち直りとその結果としての再犯防止を目指す少年法では、「少年」の上限年齢を引き下げるというのでは、国の施策として矛盾するのではないか。

これが、議論が開始されて3年以上たった今の現状だ。

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(文/しらべぇ編集部・おのっち

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