プロ野球千葉ロッテマリーンズでコンディショニングディレクターをつとめる楠貴彦コーチに、ジュニアマリーンズ(小学5年生・6年生対象のチーム)でも実践しているトレーニングを教えていただきました。

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千葉ロッテ・現役コーチから学ぶ「ジュニアのための野球トレーニング」(https://cocokara-next.com/fitness/marines-baseball-training-for-juniors-01/)

レッスン2.地面をしっかり蹴る


おさらいですが、前回の記事で、野球の動作はすべて「地面から力をもらう」とご紹介しましたが、さらに詳しく説明します。

野球の動きだけではなく、スポーツの動き、人間の動きは、体の一部を使って地面を押して行われます。例えば、歩く動作などは足で地面を押して前に進んで行きますし、立ち上がる時も必ず地面を手や足で押して立ち上がります。

このことから考えて、野球のメインとなる投げる動作、打つ動作は地面を上手く下半身で蹴って体重移動を行ない着地し、しっかりと地面を捉えてから、思い切り蹴って上半身に強い回旋(ひねり・回転)を与えます。

足を上げてから前に体重移動する時は、体重を後ろに残しながらも前に体重移動します。この時、足は地面を斜め方向に蹴っています。

ボールを離す瞬間も、前の足で地面をしっかり捉え、地面を思いっきり蹴って膝が一気に伸ばされます。

打撃フォームでも、テイクバック(腕を後ろに引く)では、後ろ足で地面をしっかり捉え、前に重心移動した時に前の足で地面をしっかり捉えます。

バットでボールを捉えるときは、前足が地面を蹴って膝が伸びた状態になります。

このことから、しっかりとした野球技術を身に付けるには、「地面をしっかり蹴る」ということが強いボールを投げること、強い打球を打つことに繋がっていきます。

今回はまず初めに、地面を蹴る準備をするポジションを身体に身に付けていきましょう!

■STEP.1
しっかりと地面を蹴る準備(姿勢を作る)

・基本パワーポジションを身に付ける(力を貯めて最大限に力を発揮する為に準備ポジションを知る)
・あごをひく
・上半身はリラックス
・股、膝、足関節を曲げる
・つま先と膝の向きは同じ
・横から見て膝が前から出ない

30秒静止2セット

■STEP.2
しっかりと地面を蹴る(姿勢を作る)

・力を抜いた姿勢から合図でパワーポジションを作る

合図10回

■STEP.3
しっかりと地面を蹴る(姿勢を作る)

片足立ちで左右どちらかに体重移動する前の姿勢を作る

横から見て
・あごをひく
・上半身はリラックス
・股、膝、足関節が真っすぐの位置
・つま先と膝の向きは同じ
・股関節を曲げる
・横から見て膝が前から出ない
・重心が力を貯める脚側にある

各脚30秒静止2セット

■STEP.4
しっかりと地面を蹴る

・野球のパワーポジションを身に付け、股、膝、足関節で地面をしっかり蹴る

回数10回2セット

 今回は、基本姿勢、パワーポジションを紹介しました。

 次回はパワーポジションを使って、野球動作に近づけて応用したトレーニングを紹介していきます。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

楠 貴彦(くすのき・たかひこ)

千葉ロッテマリーンズ コンディショニングディレクター兼育成統括
1977年6月12日生まれ、大阪市住之江区出身。大阪学院大高〜アラバマ大学。2006年よりトレーニングスタッフとして千葉ロッテマリーンズに入団。一軍トレーニングコーチを経て、現在はメディカル、トレーニング、育成部門を統括する職に従事する。

千葉ロッテ・現役コーチから学ぶ「ジュニアのための野球トレーニング」その2