ANAが国内線ボーイング777-200型機に新仕様を導入。全席に個人モニターが搭載されているほか、プレミアムクラス、普通席ともに、一見では分からないところに工夫が凝らされていました。ボーイング787-8型機にも導入予定です。

「目玉」は全席モニター 様々な工夫が凝らされた「新プレミアムクラス」

ANA(全日空)が2019年11月16日(土)から、新シートを搭載する国内線仕様のボーイング777-200型機(機番:JA715A)を導入します。

新シートの“目玉”は、全席に搭載された座席モニター。ビデオ番組やオーディオ番組、電子書籍などおよそ190チャンネルを見られます。ANA国内線の機内モニターは、エアバスA321neo型機など一部小型機で導入済みですが、中型機・大型機に導入されるのは今回が初めてです。

まず、28席に増席された「プレミアムクラス」は横2-3-2列の配置。「重厚感」がテーマといい、ベースカラーはブラウン。床のカーペットも同様のカラーで統一されています。

そのシートはファブリック製。横幅にゆとりを持たせる工夫が凝らされており、シートのひじ掛け下に足を入れられるスペースが設けられています(中央席を除く)。このことで、見た目以上に横が広く使えるようになっているとのこと。また、席にはそれぞれ大型の仕切り板が設置され、パーソナルスペースを拡充したといいます。

モニターの大きさは15.6インチで、ANA国内線の中・大型機では最大サイズとのこと。PC電源とUSB充電ポート、スマートフォンが置ける小型テーブルと、90度回転させることで、用途や場面で縦横に使い分けられる大型テーブルなどを備えます。

「スリムな普通席」には、新機能が詰まっていた

新シートを搭載するANA国内線仕様のボーイング777-200型機、その普通席は364席で、配置は同型機で標準的な横3-4-3列。シートのベースカラーは従来と同じ青色でファブリック製ですが、新普通席は、それぞれに異なる柄がデザインされているのが特徴です。

ANA国内線で就航中のボーイング767型機の普通席シートに、さらなる工夫を加えたという新シートは、そのスリムな形状に、これまでの国内線ボーイング777-200型機にはない新機能が詰まっています。

シートは、自動車用シート業界でトップクラスというトヨタ紡織製です。より広い体格差を吸収できるよう、背もたれのフレームを、背骨にかかる力を分散するような形に最適化。さらなるフィット感の向上を目指したといいます。

普通席にも設置されるモニターの大きさは、国内線普通席では最大という11.6インチです。PC電源とUSBポートも備えているほか、中の見える小物入れも装備。カップホルダーは、紙コップを取り出しやすいよう「クローバー型」のものを採用したとのことです。

新仕様機はどこで乗れる? 2022年には787-8型機も導入

こうしたANA国内線機材の新仕様は、ボーイング777-200型機の8機(このたび登場のJA715A含む)と、ボーイング787-8型機の11機に導入の予定です。

2019年11月16日(土)からしばらくは、このたび登場のボーイング777-200型機のみが路線に投入されますが、2022年上期までに順次、全機の改修が終わる見込みです。ちなみにANAによると、改修に要する時間は、1機あたりおよそ2か月といいます。

国内線新仕様機は以下の路線・便に投入される予定です(予告なく変更の可能性あり)。

11月16日(土)から30日(土)までと、12月27日(金)から31日(火)まで
・羽田~福岡線:NH243便(羽田→福岡)、NH250便(福岡→羽田)
・羽田~伊丹線:NH27便(羽田→伊丹)、NH32便(伊丹→羽田)
・羽田~新千歳線:NH75便(羽田→新千歳)、NH82便(新千歳→羽田)

12月1日(日)から26日(木)まで
・羽田~福岡線:NH241便(羽田→福岡)、NH248便(福岡→羽田)
・羽田~新千歳線:NH65便、NH75便(羽田→新千歳)、NH68便、NH82便(新千歳→羽田)

なお、ANA国内線機材で全席モニター付きのものは、2022年上期には41機となる予定です。

※一部修正しました(11月14日22時00分)。

ANA国内線新仕様のボーイング777-200型機「プレミアムクラス」(2019年11月11日、乗りものニュース編集部撮影)。