消費税増税が実施されました。まださほど日数は経ってはいませんが、皆様どのように感じているでしょうか。制度が変わったときは、その制度自体をしっかり把握する絶好の機会です。

増税後消費税は10%となりましたが、一部8%の軽減税率が適用される品目やサービスがあります。まぎらわしいものもあるのでどのような違いがあるか確認してみましょう。

消費税「不課税」と「非課税」の違い

消費税には軽減税率だけでなく、そもそも税が課せられないものがあります。さらに無税となるものの中には「不課税」と「非課税」の違いがあります。どう違うのでしょうか。

■不課税
課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と輸入取引です。これに当たらない取引には消費税はかかりません。これを一般的に不課税取引といいます。例えば、国外取引、対価を得て行うことに当たらない寄附や単なる贈与、出資に対する配当などがこれに当たります。

下記の表を見ると、身近なものに不課税の物が多くあるのがわかります

■非課税
消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。

下記の表において身近なものは、土地の売買や住まいを借りるときの家賃などです。家賃は契約において人の居住用に提供することが明らかなものに限られます。ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりませんので注意が必要です。

郵便切手は、もともと設定価格の中に消費税分が含まれています。そのため消費税を課税すると二重で消費税を負担することになるので非課税となっています。

軽減税率の主な品目

飲食料品を中心に設けられた軽減税率の対象品目は、複雑で間違いやすいものもあります。主な品目を対比してみました。

消費税アップが家計に与える影響とは?

消費税アップがどの程度家計に響くか、まだ給与の多くない新卒で考えてみましょう。新規大卒の初任給は厚生労働省の「2018年(平成30年)賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果によると、過去最高の20万6,700円だそうです。健康保険料、厚生年金保険料、所得税等は約3万8,000円(協会けんぽ、東京在住の場合)ほど、新卒初年度は住民税はかかりません。

食費は外食しなければ、基本的に消費税の増税は関係なく、2018年の大都市における単身世帯のエンゲル係数は25.6%となっていますので、約5万9,000円です。家賃はもともと非課税。価格の幅はありますが、概ね月収の30%とすると、6万2,000円です。

したがって、増税の対象となる金額は……
20万6,700円-3万8,000円-5万9,000円-6万2,000円=4万7,700円となります。
貯金をせずに丸々使ったとして、増税分の負担額は……
4万7,700円×2%(10%-8%)=954円となります。

この結果は、1時間余分に残業すれば取り返せる金額です。食費約5万9千円の内訳は外食分が相当含まれていると思いますので、負担額はもう少し増えるとは思います。しかし普通に仕事をしていれば、なんとかやりくりできるでしょう。むしろ消費税はどうとらえるかというその考え方が重要です。
○私見「軽減税率

今後も消費税が上昇することが予測されます。今回区分された軽減税率について、実際に生活してみて改善点があれば、声を上げて今後の政策に反映させてみたいものです。今はインターネットで誰もが発言できる時代です。

消費税アップの検討がされ始めた時に、私が考えた軽減税率の考え方と品目を下記にあげておきます。詳細は記載しておりませんが、住まいと食べることだけ何とかなれば、生活を立て直すことも可能です。参考にしてみてください。

私見「軽減税率」の考え方
1.生きていくのに必要な最低限の極少ない範囲の食料のみ消費税なし、または5%程度とする
2.自らの工夫次第で豊かな食生活が可能なこと
3.資源保護、地場産業・国産生産物の保護の考え方を入れる
4.増えすぎた資源の削減(鹿等のジビエ肉・外来生物・エイなどの魚介類など)
5.資源の無駄を省く(雑魚などの捨てられる小魚の活用)

私見「消費税非該当品目」
1.穀物及び穀物粉
2.地場または国産野菜
3.切り身でない小魚
4.100グラム当たり一定金額以下の肉類(ひき肉含む、味付け等加工していないもの)
5.塩・醤油・砂糖等の基本調味料10種程度
6.豆類及びその加工品(豆腐・納豆・油揚げ等)
7.牛乳、卵、乳児用の粉ミルク
8.上記4の特定品目

現在消費税の軽減税の考え方は、自分で料理をしたことがあまりないか、食費の削減で苦労したことがないのではと思わされます。私が新卒の際に親から独立したときは、まさに食費の軽減が必須でした。上記の最低限の品目があれば、栄養的にも食事の楽しみの面でも共に満足させる食事が作れます。そもそも上記以外の食品はそうそう買えませんし、食料以外の出費は絶対に必要なもの以外はすべてカットせざるを得ません。

最低限の品目が無税であれば、増税に合わせて設けられた年金生活者支援給付金制度などは必要がなくなるでしょう。ポイント還元制度も、低所得者が積極的に利用するとは思えません。キャッシュレスや中小店舗の支援は意味あることかもしれませんが、もっとシンプルに「最低限生活できる」ことを考えた消費税制度であってほしいと思います。皆様はどのような消費税が適切だと思われますか?

○筆者プロフィール: 佐藤章子(さとうあきこ)
一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス
(佐藤章子)

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