人に見られるのが怖くてたまらない、自分の写真を撮られるのも嫌。極端に視線を恐れるこの症状は「スコポフォビア」と呼ばれる恐怖症の一種だ。
日本人の場合、文化的な背景から他人の視線が苦手という人もいるだろう。だがここで定義されている「スコポフォビア」は過剰なまでに恐怖を感じ取ってしまい、身体と精神の健康に影響を及ぼす可能性を伴う不安障害のことである。
また、海外で定義されている「スコポフォビア」は、日本語で定義されている「視線恐怖症」とは若干の異なりがあるようだ。
ここではスコポフォビアとは何か?またそれを克服する方法について見ていこう。
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スコポフォビアの様々な症状
学校の授業で発表するのが大嫌いだったという人は多いだろう。嫌いだけどなんとかこなせたのならまだ大丈夫だ。中には人前での発表だなんて絶対にムリだという人もいる。
人に見られることが恐ろしい、人からの視線に耐えられない。そんな人は自分の写真を撮るのだって嫌だし、自分の写真をSNSのプロフィール欄にアップするなんて狂気の沙汰だ。
スコポフォビアの人は、他人から見られると極端なまでの不安を覚え、呼吸が速くなったり、心拍が上がったりするといった症状があらわれる。
気分が悪くなる人もいれば、だらだらと汗をかく人もいる。症状は人によって千差万別で、中にはこうした症状がちっともあらわれない人もいるという。
社会不安障害の一種でいくつかの要因によって発症する
スコポフォビアは社会不安障害の一種で、個人や状況、環境に応じてさまざまな進行の仕方をする。
スコポフォビアはほとんどの恐怖症と同じく、いくつかの要因によって引き起こされる。要因は1つだけとは限らないのだ。
それらをきちんと把握しない限り、視線に恐怖を感じている人がどのような苦しみを経験をしているのかを理解することは到底できない。
このことをくれぐれも忘れてはいけないし、憶測だけで勝手な判断をしてもいけないことも肝に銘じておこう。
スコポフォビアを発症するいくつかの要因
1. 遺伝子と観察
これが一番の原因というわけでもないが、両親からどのような遺伝子を受け継いだのかは、確かにひとつの要因だ。また、誰かがスコポフォビアを発症しているところを見ているうちに、自分も視線が怖くなってくるということもある。2. 社会不安障害
スコポフォビアはほかの恐怖症とは違って、恐怖に基づく社会不安障害の側面が強い。そして、ほとんどのケースでは子供の頃に味わったトラウマによって発症する。また、いじめや虐待が原因で徐々に恐怖が芽生えるということもある。このケースでは健全な自尊心が損なわれてしまうせいで、他人の視線を避けたり、写真を恥ずかしがったりするようになる。
3. 障害や病気
トゥレット障害やてんかんといった病気も原因になる。どちらの症状も発作が起きると否が応にも人目を引く。そうした人は望まぬ視線にさらされることになり、そのせいでやがて恐怖を感じるようになる。4. 積み重なった恐怖
普段は社交的な人であってもスコポフォビアが顔を覗かせる場合がある。それは舞台に立ったり、人前で発表したりすることへの自然な恐怖心のせいで発達する。悪い身体イメージを抱く人やパーソナリティ障害の人に発生することもある。
見られる恐怖を克服する方法
スコポフォビアの人はたくさんいる。だが一番大切なのは、それにどのように対処するのかということだ。
スコポフォビアを克服する方法のほとんどは専門家の助けが必要になる。だがもし自分だけでどうにかしようと思ったら、とにかく視線になれることだ。
たとえば、誰かに自分を見つめるように頼んで、それにどのくらい耐えらえるか時間を測ってみよう。そして次にやるときは前回より少しだけ長く視線に耐えてみる。いつかはもう大丈夫と言えるようになるだろう。
あるいは、誰かに見られていたとしても、視線なんて実体のないものだと自分に言い聞かせるのも手だ。時々写真を撮ってみて、誰かと一緒に写ることに慣れるまで頑張ってみるという方法もある。
もちろん、簡単なことではないだろうが、そもそも簡単に克服できる恐怖症なんて滅多にない。
素直に専門家の力を借りるのも大切
こうしたやり方がうまくいかなければ、やはり専門家の助けを求めるべきだ。認知行動療法、反応妨害療法、集団療法、催眠療法、あるいは薬の服用といったやり方を提案してくれるだろう。
もちろん、あなたは視線を怖いと思うだろう。だが、最近遭遇した気分を落ち込ませる諸々のことと同じように、いつかきっとその恐怖を忘れられるようになる。
そんなものに頼りたくないという気持ちもわかるが、スコポフォビアのせいでパニック発作やひどくネガティブな考えにとらわれてしまうというのであれば、考えてみる価値はある。
何かが怖くても悪いことじゃない
最後に、「何かが怖くてもいいのだ」ということは言っておこう。それが健全なレベルであるならそれで構わないのだ。
恐怖が近づいてきたら「上等じゃねえか、バカ野郎」と吐き捨ててみよう。
ただ、恐怖症の域にまで達してしまうと、自分ではコントロールできなくなり、日常生活にまで支障をきたすようになる。
もし自分自身や大切な人たちにそんな兆候が見られるようなら、できるだけ早く対処するといいだろう。
References:Scopophobia / What Is Scopophobia, What Causes It and How to Overcome It / written by hiroching / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52284386.html
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