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 スイスヴォー州の小さな町ラ・サラにある聖アントニウス礼拝堂。ここにはなんと顔面や息子スティックカエルにむしゃむしゃ食べられている異様な墓碑が祀られている。

 14世紀にカエルやヘビの餌食にされた亡骸のモニュメント。まるで死後さらしに合っているかのように、こんな姿で何百年も祀られている故人にはどんな事情があったのだろう?

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カエルたちと永眠する信心深い貴族の墓碑

 この墓碑は、地元の貴族だったフランソワ1世(1363年死去)を祀るために作られたという。

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 また墓碑を納めている聖アントニウス礼拝堂は、信心深いフランソワ1世自身が息子のエイモン3世に建てさせた寺院であり、1362年の完成から10年ほど利用されていたようだ。


 てか礼拝堂に貢献したのにカエルの餌食ってどうよ?かっこいい彫像で祀られるならまだしも、これじゃあちょっとあんまりじゃね?

 しかもこの状態は顔面だけにとどまらず、あろうことか息子スティック界隈までもがカエルたちに食されていて、腕や脚にもヘビがぴっちり食いついている。

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 一体なぜこんな姿に?その理由についてはいくつかの言い伝えがある。

非業の死で水死体?家臣のいやがらせ?

 この墓碑に関する伝承の1つにフランソワ1世が非業の死を遂げたという説がある。馬に乗って狩りをしてた時に落馬し、湖に落ちたというのだ。

 彼が落ちたとされるヴォー州のジュー湖は深さ20mほどもあり、遺体はなかなか見つからなかった。だがのちに家族が発見して引き上げてみると、腐敗した遺体にカエルやヘビが大量に群がっていた、という。

 また一方で暴君だったフランソワ1世を恨み、復讐を誓っていた彼の家臣たちがあえてこんな風に作らせたという、さらし目的説もある。

 なお、彫刻を手がけたのは当時の騎士や僧侶ともいわれているが、それ以上の詳しい情報は残っていないようだ。

メメントモリで死後の経過をリアルに表現?

 西洋の教会や聖堂の墓標の中には、故人が亡くなった時の状況や白骨化した姿を表す彫像(トランジ)などが存在する。

 コメント欄によると、中世後期のドイツ圏で流行ったトランジの様式も蛇とカエルは「罪と穢れ」の象徴とされており、この作品も災いの元とされる目と口と息子スティックを蛙に食われてるって意匠である可能性があるという。

 ペストが流行した中世からルネサンス期のヨーロッパでは、貴族や聖人が浮世のはかなさ(メメント・モリ)やおごり高ぶる人心への戒めなどのために遺言を残し、あえて遺体の経過をリアルに示す像などがよく作られたそうだ。


 死後、自身が提案した礼拝堂にこんな形で祀られたフランソワ1世。仮に本人の希望だったとしても、遺族はモヤモヤしなかったのかな?

 ちなみに現在の聖アントニウス礼拝堂は、歴史的な建築物の一つに分類されていて、訪問者もけっこういるようだ。興味がある人はぜひ行ってみてはいかがだろうか。

追記(2019/11/15)本文を一部修正して再送します。
References: lunchlunchbreakfast / tumblr / wgaなど /written by D/ edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52284546.html
 

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