主将マークを巻いて3バックの中央と左を務め上げた

 U-22日本代表は14日、広島市内でJ1サンフレッチェ広島と練習試合(35分×2本)を行い、0-1で敗れた。17日の親善試合U-22コロンビア戦(エディオンスタジアム広島)に向けての一戦で、DF板倉滉フローニンゲン)は後半から主将マークを巻いて途中出場してチームを牽引した。

 A代表常連の欧州組としてU-22日本代表に合流した板倉は後半の35分間プレー。前半で交代した中山に代わって主将マークを巻いた。立ち上がりから広島に押し込まれていたなか、後半からはMF三好康児(アントワープ)ら合流が遅かった欧州組もピッチに立った。連係面では課題が残り、先制点を相手に奪われたが、同19分にMF久保建英(マジョルカ)が出場してからは攻撃の形を作り始めていた。板倉自身もコンディションを調整すれば向上すると感じていたようだ。

「これからまだまだ上げていけるなっていう感覚。今回35分やって、身体の状態はコロンビア戦の時にもっといい状態にあるのかなって思います」

 この日、板倉は「久々」という3バックの中央を務めた。だが、最後は“定位置”の左に回った。二つのポジションをこなすなかで、課題も収穫も見えてきたようだ。

「試合前から3枚の真ん中と左の両方やるよって言われていたので、自分としてはどっちもできるような状態でいたいと思うし、その2ポジションを35分と短いなかでできたのは良かったと思います。(中央では)もうちょっと縦パスが入った時に、行ける場面や、真ん中に入って前の選手に指示を出す時に、もうちょっとプレッシャーを掛けられれば良かった。相手がボールを持つ時間も長かったので、短い時間でしたけど、プレスの掛け方を後ろから指示を出して、変えていければ良かったかなって思います」

2季目を迎えたオランダで急成長中

 東京五輪世代の森保ジャパンを築き上げてきた3バック。センターバック(CB)からのビルドアップも大切なカギを握るが、3枚の左では実行に移した。2季目を迎えるフローニンゲンでは開幕から主力として活躍し、CBで定位置をつかんでいる。その自信をプレーとしても上手く表現できたようだ。

「負けていたっていうこともありますし、なかなか上手く縦パスも入ってなかったので、(3バックの左では)自分が上手く運ぶことでサイドで数的優位を作って……っていうのは考えてやっていた。突破まではいけてなかったので、それは反省点。上手く打開したかった。でも今日(広島の)ドウグラス(・ヴィエイラ)と対峙しましたけど、普段からああいうデカい、強い選手を相手にしているので、そこまでいつも違う感じはしなかった。落ち着いて対応できたのかな」

 オランダでは週2回、英会話教室に通い、コミュニケーション能力も身につけた。当たり負けしないように体重を増やし、監督からの信頼も得ている。A代表にも継続的に招集されてきたことがプレーにも余裕が出始めた。板倉の安定感ある堂々としたプレーコロンビア戦、そして東京五輪に向けても必要な力となってきそうだ。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

U-22日本代表MF板倉滉【写真:Football ZONE web】