皆さんは転職をしたことがあるだろうか。不満のない職場などないと分かってはいるものの、夫が何度も転職を繰り返すと妻は不安だろう。「教えて！goo」にも「転職癖のある夫」ということで、夫が10年間で5回転職をしていることに悩む妻から、どうしたら一つの仕事を長く続けさせることができるかと質問が寄せられていた。そこで、パーソナリティーコンサルタントの横山人美さんに、転職を繰り返す人の特徴や、転職しそうな人の前兆に加え、夫が転職を繰り返す場合、妻はどうすべきか話を聞いてみた。
■転職を繰り返す人の特徴
転職を繰り返したり、同じ職場に長くいられない人の大きな特徴の一つに、コミュニケーション能力の低さが挙げられるそうだ。
「職場ストレスの大半は人間関係上のことが原因です。社会人になるまでの成長過程において、他者と上手にコミュニケーションを取ることができなかったり、深く交わらなかったことで、人間関係がうまく築けず、『この仕事は合わない』、『自分の能力を活かせない』、『労働条件が不満』などと理由をつけて転職を繰り返してしまうのです。一つの事を根気強く続けることが苦手な人も、転職回数が多い傾向があります」（横山さん）
苦手と感じる仕事や、あまり好まない仕事も、同僚や上司などと良好な人間関係が築けていれば、多少の不満も克服できるのかもしれない。
■転職しそうな人の前兆
転職しそうな人に見られる前兆はあるのだろうか。
「『お給料が少ない』、『残業が多い』、『思っていた仕事内容と違う』といった不満や、『もっと能力を活かせる場所がある』といった自分自身への過大評価を口にするようになったら、転職を考えているサインかもしれません。本人が転職は不本意であり、周りから理解されないと考えている場合、誰かに受け入れて貰いたいと自分を正当化しはじめます。見た目にも悩みごとを抱えていそうな雰囲気や、無気力な様子が見受けられるかもしれません」（横山さん）
転職する自分を妻などに認めて欲しいという気持ちが、自己の「過大評価」や「正当化」といった形で表れるのだろう。
■転職を繰り返す夫に対し、妻が取れる対処法
そんな夫のために、妻ができることはあるだろうか。
「転職を繰り返す人は、自分にコミュニケーション上の問題があると気づいていない場合が多いです。本やセミナー、心理学の実用講座などを勧め、コミュニケーション力を養うトレーニングをすると、効果が期待できるかもしれません。トレーニングを根気強く続けることが苦手な人は、ご自身の得意分野などで長く人間関係を築く練習をしてみたり、SNSなどを利用して知らない人とコミュニケーションを図ってみるのもよさそうです」（横山さん）
これらを踏まえ、人生のパートナーである妻ができる一番の対処法は、「よき話し相手になること」とも、横山さんは教えてくれた。
「身近に話を聞いてくれる人がいるという安心感は、社会の中で受けたストレスを緩和させます。会社でつらいことがあったとき、家庭で話を聞いてくれる人がいるだけで心が軽くなり、すぐに問題の解決につながらなくとも、再び困難に立ち向かおうとする勇気が湧いてくるものです」（横山さん）
とはいえ、トレーニングや妻の理解などにより、少しずつでも前進できればよいが、変わらず転職を繰り返し、悩みさまよって答えが出ない状態などが続くのはよくないそうだ。
「事態が変わらない場合は、精神疾患に陥るケースもあるため、カウンセラーや地域福祉の専門家などに相談してみるのも一つの方法です。転職は必ずしも悪いものではありませんが、度を超えて頻回になる場合はご家族の心配も募りますね」（横山さん）
夫婦それぞれの思いを尊重し、よりよい選択をしながら人生設計ができたら何よりだ。ときには、第三者の力を借りるのも妙案かもしれない。
●専門家プロフィール：横山 人美
Keep Smiling代表。パーソナリティーコンサルタント、講演・セミナー講師。各種メディア執筆やテレビ出演など多数。前向きな発達障害との関わり方をはじめ、子育てや人間関係の悩みが楽になる心理学を伝えている。
教えて！goo スタッフ（Oshiete Staff）
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