敵地でセットプレー2発を沈めた日本、無失点をキープしてW杯予選4連勝

 日本代表は14日、カタールワールドカップ(W杯)2次予選でキルギスと対戦し、アウェーで2-0の勝利を収めた。10月シリーズからU-22日本代表に合流したMF堂安律PSV)、MF久保建英(マジョルカ)、負傷離脱中のDF冨安健洋(ボローニャ)らが不在のなか、代わりに出場した選手たちが安定したパフォーマンスを見せた。

 明確な狙いを持って攻めてきたキルギスに苦しめられた日本だが、前半41分にMF南野拓実ザルツブルク)が自身が倒されて得たPKを決めて先制すると、後半8分にもMF原口元気ハノーファー)が直接FKを決めてリードを2点に広げた。守ってはGK権田修一ポルティモネンセ)の活躍もあり、W杯予選開幕から4試合連続無失点をキープした日本だが、その戦いぶりをかつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、W杯を6大会連続で取材した英国人記者マイケル・チャーチ氏はどのように見たのか。先発11選手を10点満点で採点。チームに先制点をもたらした南野に付けられた単独最高点と、付け加えられた課題とは――。

キルギス戦の日本代表スタメン11人の採点(10点満点)

【GK】
権田修一ポルティモネンセ) 7点
2つのファインセーブを見せた。特に最初のFWミルラン・ムルザエフのシュートを抑えたセーブは、試合をスコアレスに留める意味でも重要なものだった。その活躍もあり、日本は今年のW杯予選で無失点を維持することができた。

【DF】
酒井宏樹マルセイユ) 5点
前方へ仕掛けることができたのは稀であり、キルギスの左ウイングであるMFグルジギト・アリクロフの対応に少し問題を抱えた。彼の最高のパフォーマンスを見ることはできなかった。

植田直通(セルクル・ブルージュ) 6点
冨安のポジションで、彼の穴を埋めるのに十分な堅実なパフォーマンスを見せた。試合の序盤では素晴らしいカバーリングからのタックルで、ムルザエフを寄せつけなかった。

吉田麻也サウサンプトン) 6点
普段のパートナーである冨安を失いながらも、普段どおりの堅実なプレーを見せた。

長友佑都ガラタサライ) 6点
最近では通常になっているように、長友の攻め上がる回数は少なかった。彼が規律を保つプレーを見せたことが、日本の守備が毅然とし続けるための重要な要素となった。

原口は中島と“異なる持ち味”を発揮 「トップクラスのフリーキック」と称賛

【MF】
遠藤 航(シュツットガルト) 6点
深い位置に落ちて、最終ラインの前の防波堤となった。ホームのキルギスがポゼッションをしている時には、その攻撃を押し返していた。

柴崎 岳(デポルティボ) 6点
日本のプランに従って、柴崎は本来彼ができるほど攻め上がる考えを持たなかった。それでも、遠藤と良い連係を見せて、ホームチームが攻撃に出てきた時はしっかりと対処していた。

伊東純也(ヘンク) 6点
彼が巧妙な小さなフリックによって、南野がペナルティーエリア内に駆け込み、日本に先制点をもたらすPK獲得につなげた。堂安律の不在を感じさせない十分なパフォーマンスを見せた。

南野拓実ザルツブルク) 8点
最も重要な意味を持つ先制点を記録したと同時に、動きと閃きで相手の脅威になり続けた。ただし、チャンスをもっと多くのゴールに結びつける必要はある。

原口元気ハノーファー) 7点
中島翔哉に代わって先発に選ばれ、左のウイングで異なる持ち味を発揮した。さらにトップクラスのフリーキックで得点を挙げて、好プレーを印象的なものにした。

【FW】
永井謙介(FC東京) 6点
積極的かつ精力的に動き回り、相手の守備を深い位置に押し込んだ。その結果として生じたスペースを南野が活用できた。堅実なパフォーマンスだった。(マイケル・チャーチ/Michael Church)

日本代表GK権田修一(左)とMF南野拓実【写真:AP】