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テレビ山口で放送された情報番組で、街頭取材したトランスジェンダー女性について「珍 女性のような男性」として取り上げていたことが11月14日に発表された。再びテレビの「人権感覚」が問われている。

朝日新聞デジタルによると同局の「週末ちぐまや家族」で出演者のタレントが、車のオイル交換をしている女性に対して「女性で?」「変わっているって言われませんか」と発言。「実はこの方にはある訳が」とナレーションが入った後、本人がいないところで親族とやりとりをしたタレントが「実は男性なんですか」と驚きながらコメント。そして本人の映像に重ねて「(マル囲みで)珍 女性のような男性」というテロップが。取材を受けた女性は「事前に何の説明もなく、こういう形で性別をさらされるとは思わなかった。偏見に満ちた放送でショックだ」とコメントしたという。

「『週末ちぐまや家族』のしたことは、アウティングと呼ばれる行為です。本人の了解を得ずにセクシャリティを公にされることはまだまだ差別や偏見の絶えない社会において、当事者にとって耐えがたいものです。15年4月に一橋大学でアウティングをキッカケに大学生が投身自殺をしたことも記憶に新しいでしょう。それを公共の電波を使って行ったわけですから、より重い事態といえるでしょう」(全国紙記者)

今年5月、関西地域のニュース番組「かんさい情報ネットten.」(読売テレビ)内で“見た目では性別を判断することができない人”の性別確認のため胸を触ったり、保険証を提示してもらうといったシーンが放映された。その際、コメンテーターの若一光司氏(69)は「許しがたい人権感覚の欠如」と番組中に激怒していた。

そして今回の「珍 女性のような男性」と放送されたことを受け、再びテレビの「人権感覚」を疑問視する声が上がっている。

《ten.で同じような内容で炎上したのも記憶に新しい。いや更に悪質かも。全時代的な人権感覚の人間が公共放送にいて、更にそんな番組をそのまま流してしまうという怖さ》
《本人に確認もなく、他者がセクシュアルティを面白くおかしく扱ってはいけない。人権意識が欠けているなという、言葉で済まされないほど、ひどいと思う》
トランスジェンダーの無断暴露(アウティング)が酷いのはもちろんだし、オイル交換くらいで「女性がオイル交換? その真相は……」なんてのも性役割の押し付け甚だしい》
《信じられないアウティング。これだけ、トランスの人権保護が言われてるのに、テレビ局なのに、誰も何も言わなかったんでしょうか》