Twitterに投稿されるや“いま最も泣ける四コマ”と大反響を巻き起こした漫画家、世紀末の同名作品を、間宮祥太郎と桜井日奈子のダブル主演で実写映画化した『殺さない彼と死なない彼女』の初日舞台挨拶が15日に新宿バルト9で開催され、間宮と桜井を筆頭に、恒松祐里、堀田真由箭内夢菜ゆうたろう、小林啓一監督が登壇。足を骨折し松葉杖をついて登壇した間宮に、会場に詰めかけたファンからは大きなどよめきが起こった。

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本作は無気力な小坂と死にたがりの鹿野を軸に、6人の不器用で純粋な高校生が繰り広げる3つの物語が交差していく青春ラブストーリー。周囲から孤立していた小坂と鹿野は、ある出来事をきっかけに同じ時間を共に過ごすようになっていく。自分を受け入れそばに寄り添ってくれる存在との出会いによって、2人は互いの心の傷を癒し、前を向いて歩み出していくのだが…。

公開前の試写会アンケートでは、91%の観客が「泣いた」という感想を寄せているとのことで「泣くほど感情がたかぶったというのは本当にうれしいです」と語る間宮は、それだけ多くの人の心を打つ理由について「一つは世紀末さんの原作そのものが持つ力。あとは四コマ漫画だった原作をこうして映画の脚本に仕上げた監督。そして監督が毎日自然光を見ながら一番いい瞬間を撮ろうとしていたので、とにかく画が綺麗。そういったことが後押ししているのかなと思います」と分析。

それには桜井も「間宮さんが仰ったことがすべてだと思います」と便乗すると、「ずるいわ!」と爆笑する間宮。そして「自然光を使ったことで、皆さんが日常を過ごしている光の加減と一緒なので、この世界に入りやすかったと思う」と語る桜井に、小林監督は「皆さんが“熱演”ではなく程よく力を抜いたいいお芝居をされているので、それが涙を誘うのかなと思います」と述べた。

そして観客からの質疑応答のコーナーで「演じた役以外で自分に似ているキャラクターは?」という質問が出ると、間宮は共演者に「いる人?」と募る。すかさず手を挙げたゆうたろうは「八千代くんは落ち着いているんで自分と似ている部分はあるんですけど、かまってちゃんの部分や自分が主役でいたいと思っている部分はきゃぴ子にも似ていて、影がある部分も共感できた」と明かし、恒松から「きゃぴおだ(笑)」と言われる一幕も。

同じ質問を振られた間宮が「どうですかね、小坂に対しての共感はありましたけど…」と考え込むと、小林監督から「間宮くんはキティちゃんじゃない?」と、劇中で間宮がリボンを付けるシーンが挙げられる。「(キティちゃんに)似てるなってずっと思ってたんですよ」と語る小林監督に、「実写版キティちゃん!?サンリオ背負って立ちますか!」とやる気満々の間宮。さらに箭内から「私キティちゃん大好きなんですよ」と言われると「俺告白されてる!?」とノリノリな様子で笑いを誘っていた。

その後も好きなシーンや監督の演出、撮影時のアドリブやハプニングなどについて語っていった登壇者たち。最後にマイクを取った間宮は「SNSの“いいね”やフォロワーとか不特定多数の人に向けた何かを考えがちな世の中ですが、実際に自分と過ごす時間を共有する誰か1人特別な人がいて、その人がいることによって自分として認められる。そういう人間関係の映画です。それがいかに特別で掛け替えのない存在なのかを示している映画だと思うので、皆さんにとって大事な映画になってくれたら、それがすべてだと思っています」と力を込めて語った。(Movie Walker・取材・文/久保田 和馬)

足を骨折したとのことで、松葉杖をついて登壇した間宮祥太郎