IoT社会、AI社会の到来といわれて早数年。
現在、家電業界では、AIとIoTを掛け合わせた通称“AIoT”の研究が進み、私たちの生活が変わるような次世代の取り組みが生まれていることをご存じだろうか?

AIoTとはいったい何?生活はどう変わる?専門家に聞いた

AIとIoTがかけ合わさることで、一体私たちの生活にどんな変化がもたらされるのかを探るべく、IoT/AI評論家であり、サイバー大学の専任講師も務める伊本貴士氏と、これまで、SHARPのIoT関連事業に従事し、この度、株式会社AIoTクラウドの副社長に就任した白石奈緒樹氏に話を聞いた。

▲左から伊本貴士氏、白石奈緒樹氏

AIoTとは、そもそもどんなモノ?

伊本氏「インターネットとモノをつなぐIoTが今浸透しつつありますが、現在そこにAIがかけ合わされることで新たな可能性が生まれつつあります」

伊本氏「まずIoT化によって、インターネットとつながり家電製品がセンサーの役割を果たすようになりました。例えばエアコンの情報から室温がどうかというだけではなく、ここの住居の人はこういう使い方をするユーザーだという情報を仕入れて、インターネット上にあるデータベースに収集するんです。これが、IoTの第一段階です。そしてこの次の段階として重要なのが、その収集したデータを『分析し』『賢く動かす』というところ。この部分にAIを活用すれば、人間がデータ分析するよりも、もっとよいものになるのではないか?という考えから生まれたのがAIoTですね。わかりやすくいうならば、家電製品がその人の要望や趣向などに合わせた提案をしてくれる“コンシェルジュ”のような役割を担ってくれる時代がもう始まっているということなんです」

スマート家電を通じてSHARPが届けたいこととは?

白石氏「私達は家電のAIoT化によって家事のストレスを減らしたいと考えています。例えばヘルシオであれば、「献立」が一番のユーザーの困りごとだと着目し、調理履歴を元にユーザーの好みを学習したり、栄養のバランスに配慮したメニューを提案したりといった部分をAIが担っています。また、実際にユーザーが相談しながら献立を決められるよう、UIには音声対話を採用しています。これらを実現するために、企画、技術、ソフト開発が連携して一丸となって議論して商品を作り上げています」

伊本氏「白石さんの言うとおり、今後は機械そのものであるハードウェアと、そこに搭載するソフトウェアのかけ合わせが何よりも大事になってきます。その両方に知識があるエンジニアがさらに増えていってほしいですね」

サービスにつなげることで、家電の価値は無限大に広がる

白石氏「すでにSHARPではAIoTプラットフォームを介してセコムやKDDIといった事業者様との連携を始めています」

伊本氏「それはすばらしい取り組みですね。こういった他社連携が進めば、将来的には高齢者の方の見守りサービスにも活用できそうですね。例えば、毎日必ず使う冷蔵庫をインターネットにつなげることで、その日冷蔵庫の扉が開かれなかったら連携する介護事業者に通報が行って、様子を見に行ってもらえるとか……皆さんの身近にあるような社会課題の解決にもつながっていきますよね」

(既に2019年10月1日から、KDDIおよびセコムはSHARPから提供された生活データを活用し、留守宅の子どもや離れて暮らす家族などの日常的な見守りサービスを開始している)

白石氏「他の家電メーカーさんや、色々なサービスを提供する企業がつながっていけば、これから家電の使われ方はさらに無限大に広がっていくと思います。そうなると、異なるメーカーの機器の情報を横断的に管理することや、機器からどんなサービスにつながるのかを見える化する必要があると考えています。そこでSHARPでは『COCORO HOME』というスマートライフアプリを用意しました。これひとつで機器の一括管理ができるだけでなく、利用可能なサービスのおすすめをご自身のスマホでご確認いただけるようになっています」

白石氏「また、スマート家電の普及を後押しするために経済産業省が進めている『LIFE UP プロモーション』※に参画し、SHARPとして『スマートライフ家電キャンペーン』というものもスタートしています。こういったキャンペーンなどをキッカケに、一人でも多くの方にスマート家電をとりいれていただき、ゆとりのある生活を体感いただきたいですね」

スマートライフ家電キャンペーンは、経済産業省「LIFE UP プロモーション」※の対象です。

※「LIFE UP プロモーション」は、平成30年度補正予算「生活空間におけるサイバー/フィジカル融合促進事業費補助金」により実施されています。

SF映画の世界も夢じゃない……?AIoTの人々の暮らしへの関わり方

AIoTによって家電がサービスにつながり、様々な可能性が広がりつつあると語る二人。
最後に、これから私たちの生活がどのように良くなっていくのか、また、どのような未来が待っているのか、それぞれの見解を聞かせてもらった。

伊本氏「『スマートライフ』の『スマート』には二つの意味があると考えています。一つは『賢い』、そしてもう一つが『無駄がない』ということです。この二つが実現することによって、合理的に賢く無駄がない生活が可能になるんです。機器が人の生活を察して先回りして最適な提案をしてくれたり、実現してくれるようになると時間にも余裕が生まれ、より私たちの生活は豊かなものになっていきます。なので、SF映画に出てくるような『こういう機械があったらすごいよね!』みたいな想像が、近い将来徐々に実現していくはずです」

白石氏「私自身はAIoTによってどんな価値が提供できるのかということを、今後もさらに研究していきたいと思っています。パッと見て今までと同じ家電製品に見えたとしても、一度インターネットにつなぐだけで、これまで経験したこともないような発見を感じていただける製品が、実はもう身近に存在していますので、皆さんにもぜひ体験していただきたいです。また、これからの時代になるかもしれませんがSHARP家電製品が、他の企業を含め色々なサービスとつながることで、『えっ!家電がこんなサービスと連携できるの!?』『こんなことができるってすごい!』という新たな驚きを多くの人に波及できるよう、私たちも努力を続けていきたいと思っています」

これからの変化をリアルタイムで体感するために

“AI”“IoT”と聞くと私たち消費者側に高度な知識や、難しい設定などが求められると考えてしまう人が多かったはず。
しかし、今回のインタビューを通してむしろその考えは正反対で、家電が先回りして最適な働きをしてくれることで、私たちの生活がより豊かなものに変わっていくことが分かってきた。

近い将来まで近づいてきている次世代の暮らしをリアルタイムで体感するためにも、まずはSHARPのAIoT家電とインターネットをつなげてみることから始めてみてほしい。

(文:ソーシャルトレンドニュース編集部)

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