【元記事をASCII.jpで読む】

 10月からMNO(移動体通信事業者)としてスタートした楽天モバイル。自前の回線ということでエリア整備の問題などが報じられているが、実際に利用できるのは抽選で選ばれた限られし者のみ。

 その一方で以前から展開されている、MVNO仮想移動体通信事業者)としての楽天モバイルは、誰でも加入して使うことができる格安SIMだ。MNOのサービスに集まる中、今でも多くのユーザーが使っているMVNOの方が最近どんな感じなのか、実際に加入してみた。

プランはサブブランドに近い「スーパーホーダイ」がおすすめ

 MVNOとしての楽天モバイル2014年に開始。当初はドコモネットワークのみだったが、その後、auネットワークも加わった。プランは他のMVNO格安SIMに近い「組み合わせプラン」と、音声通話付きのSIMに通話定額がセットになった「スーパーホーダイ」がある。今年の9月までは、スーパーホーダイには1~3年の“縛り”があり、途中での解約には違約金がかかっていたが、10月1日以降はそれがなくなり、気軽に契約できるようになった。

 スーパーホーダイの最大の特徴は、高速データ通信容量を使い切った後。一般的な格安SIMでは200kbpsなどに速度制限され“激遅”になるが、スーパーホーダイでは超過後も1Mbpsと制限が緩く、低画質なら動画配信を視聴できるほどの速度が維持される(12時台、18時台は最大300kbps)。“ギガ”が少ないプランで容量を使い切ってもそこそこ快適に使うことができる。

 料金は月2GBの「プランS」で税抜2980円、楽天会員なら最初の1年間は1500円引きの税抜1480円と大幅に安くなる。ここにユニバーサルサービス料の3円と消費税を加えて1631円が、最初の1年間の月間コストとなる。

 オプション料金などは不要で、1回10分までの国内通話は何回でも無料通話となるのもスーパーホーダイの特長。「楽天でんわ」のアプリを使うか、電話番号の頭にプリフィックスと呼ばれる番号「003768」を付けて発信する必要があるが、無料通話まで含まれていて、初年度は月1631円はオトクな回線と言うしかない。

リアル店舗が多数あるので思い立ったらすぐ加入できるが、
オトクに加入したいのであれば情報のチェックは忘れずに

 楽天モバイルの店舗は拡大中で、加入したくなったときは店舗に行けばその場で加入できる。ドコモショップなど3大キャリア並みとはいかないが、主要な場所を押さえているので、行動範囲のなかに楽天モバイルの店があるという人も少なくないはずだ。

 しかもこれらの店舗は筆者が見た限りは、3大キャリアショップよりもずっと空いており、平日なら待ち時間もほとんどないように見える。思い立ったらすぐ加入できるという点では、非常に優れている格安SIMといえる。

 しかし、何の準備もなしにショップに入っていって加入するのはちょっと待ってほしい。契約事務手数料の約3000円がかかってしまい、特典も少ない。反対にネットでの加入なら事務手数料が無料などの特典がある加入方法が見つかる。

 たとえば、Amazon.co.jpのように加入パックを格安で販売しているところから入手すれば、契約事務手数料分がお得になる。また、価格比較サイトなどでは独自の特典を用意しているところもある。11月13日の時点では、価格.comリンクから加入すると契約事務手数料が無料になる例もあった。

 すでに楽天会員になっていてゴールド会員以上という人なら、楽天ポイントクラブの会員特典のページから加入すると会員ランクに応じて1800~2000楽天ポイントをもらうこともできる。SIMだけでなく端末も同時購入したい場合に有効だ。

 また、楽天モバイルショップで加入したい場合は、楽天モバイルの会員から紹介を受けると1000ポイント、平日なら2000ポイントがもらえる。急ぎで回線が必要になった場合は、既存会員からユーザーIDを聞いておくとお得になる。

 オトクな方法はいろいろあるが、SIMだけなら比較サイトの特典を利用するのがよく、端末を購入するなら店舗とネットの価格をよく比較してということになる。街で楽天モバイルの店を見て、加入を思い立っても、ちょっとだけ調べてから加入するだけで数千円の違いになるのだから、まずはチェックしてみてほしい。

ネット加入の翌々日に宅配便でSIMが届いた

 今回の筆者は、価格.comの「格安SIMカード」のページを経由して加入した。特典は契約事務手数料が無料になるというものだ。

 加入手続きは金曜日の午前中だったが、夜になって本人確認書類にミスがあるとのメール連絡があり、すぐに修正手続きをしたところ深夜に申込が受理され、翌土曜日SIMが発送された。ミスは申し込みの際に生年月日を入力する際、マウスのホイールに手が触れたためか間違って入力してしまったというものだ。

 もし、ミスがなかったとしても当日発送は難しいと思われ、申込翌日発送の2日後配達が最短のようだ。楽天モバイルウェブサイトにも「最短2日でお届け」とあるが、順調に進んでその日数だということを体験した。

 2日といっても宅配便の受取があるので、平日ならSIMを手にするのは2日後の帰宅後になってしまう。もし、ものすごく急いでいるようなら既存ユーザーの人に紹介をしてもらい、楽天モバイルの実店舗で手続きをしたほうがいいかもしれない。

ごく普通に使える格安SIM、昼時も快適な方か

 SIMが届いたらすぐに利用可能。楽天モバイルの場合、加入初月の月額費用は無料で、高速データ通信容量も1ヵ月分がフルで与えられる。プランSなら2GBだ。利用開始直後はさまざまなテストや速度計測もするのでデータ量が多いのはありがたい。格安SIMの中には契約初月から日割りで課金され、データ量も日割りというところもあるが、それに比べると便利だ。

 手持ちのHUAWEI P30 liteSIMを装着してみたが、速度比較アプリで計測した速度を見ると、極端に早い時間帯も少ない一方で極端に速度が落ち込む時間帯もない。

 実際にウェブブラウジングなどで使ってみても、通常なら極端に速度の落ち込む昼の12時台と18時台でもさほど快適さを失わない。この2つの時間帯は、容量超過や高速データをオフにした場合の速度が300kbpsに絞られており、そのことが逆に速度は遅いが安定してデータが流れるという状況を生み出しているようだ。

 12時台であっても動画以外のサイトの閲覧には支障をほぼ感じず、動画についても、たとえばTVerテレビ番組を見ても、低画質モードになるが、あまり停止せずに視聴できる。容量超過や高速データ通信をオフにしても同様だ。

 もちろん混雑時間帯以外はさらに快適に通信できる。速度測定アプリでは下りの速度が10Mbpsに届くことは深夜帯くらいしかないが、そもそも10Mbps以上の速度が必要になる場面はほとんどなく、遅いという印象もない。

MNOの楽天モバイルにはいつ移行を進める?
いつまでMVNOとしてのサービスが利用できる?

 MNO(移動体通信事業者)、つまり自前の「楽天回線」のネットワークを持つ携帯電話会社としてスタートした楽天モバイルだが、現時点では前述のように「無料サポータープログラム」として抽選で選ばれし者のみが無料サービスを使っている状況だ。

 いつかはMNOに統一される日が来るだろうが、それまではMVNOで加入した人はそれまではMVNOのままサービスが受けられる。これまでの例からしても、もしMVNOサービスをやめるにしても、すぐに使えなくなることはなく、数年は移行期間が設けられるはずだ。

 移行後の料金やサービスだが、加入時期によって異なり、2019年10月以降に加入した回線は今後発表される「正式プラン」のみ利用可能となる。2019年9月までに加入したスーパーホーダイの回線は移行後も「スーパーホーダイ」も選べる。正式プランがどんなものであるかは不明だが、10月以降に契約したユーザーは移行後にスーパーホーダイが選べないことから、高くなるか安くなるのか、現時点ではよくわからない

 また、楽天回線のSIMカードが自動的に送られてくるような記述もある一方で、SIMカードを交換しなければ引き続きMVNOのまま利用できるという記述もあり、どういう移行になるかはまだまだ不透明だ。いずれにしても、すぐ移行しなければならないことはないだろうと推測できるほか、10月以降に契約した回線なら契約期間による縛りはない。条件が良い事業者があればそのときに乗り換えてしまえばいい(https://mobile.rakuten.co.jp/news/service_20190906/)。

 なお、楽天回線のエリアであるが、現在はまだ発展途上で判断を下す時期ではないが、当面は東京23区大阪市名古屋市以外はauネットワークを利用する。逆に言えば都市部以外ではauよりもエリアが広くなることはないということになる。最近の状況では筆者の行動範囲ではドコモが最強でソフトバンクが続き、建物の中などではauが圏外になりやすい印象を持っている。筆者と似たような移動エリアの人は、ドコモネットワークが使えるMVNO楽天モバイルから、auの範囲でしか使えそうにない楽天回線に乗り換えはできないだろう。

同じサービスがずっと続かないのかもしれないが、
あまり深く考える必要もない

 現状のMVNO楽天モバイルは、ドコモの広いエリアで使えて、通話もネットも必要十分な品質でオトクな料金の格安SIMと言えよう。スーパーホーダイでは容量超過後に1Mbpsで通信できるなどメリットも大きい。

 しかし、楽天回線に移行した後の料金やエリアがどうかわからない。そう言うと、不安になるかもしれないが、あまり心配しなくてもよい。縛りがないため、ほかの格安SIMなどに乗り換えようと思えばすぐできるからだ。

 仮に今のまま楽天回線の評判が良くならなかった場合でも、強制的に楽天回線に移行させられるのは先の話だ。それまでにスマートフォンの買い替えの時期も一度はやってくるだろうし、移行のタイミングはたくさんある。あまり悩む必要はないだろう。

MVNOの方の楽天モバイルって今どうなのか、加入して確かめた