身近なのに意外に知らない建設業の世界。

 将来、マイホーム建築やマンション購入でお世話になるかも? 今回は、建設業界の用語を見ていきましょう!

KY

Q.「KY」は何の略?

「現場のKYについて報告します」

 現場に「KY(空気読めない)」な人でもいるのでしょうか?

A. 危険予知

「KY(=危険予知)」は、建設現場での労働災害を防ぐための活動で、「危険予知活動=KYK」とも言われます。

 建設現場では、特にヒューマンエラー(人間に起因する誤り)による災害が多く発生します。現場で働く作業員同士のコミュニケーション不足や、小さな確認ミスによって、大きな怪我や死亡災害に繋がってしまうこともあります。

 そのため、建設現場のKYに置いて重要なのは、現場に関わる全員が「この現場ではどんな災害が起きる可能性があるだろう」と考えること。現場によって条件が異なるため、マニュアルだけに頼らず「現場には危険が潜んでいる」と意識することが大切なのです。

 そして、考えられる災害について防止策を検討し、全員で共有します。責任者だけでなく、現場にいる一人ひとりが敏感であることが求められるのです。

Q.「丸投げ」ってどういう意味?

「このマンションの工事は丸投げでした」

 他業界でも使われることがある言葉ですが、建設業界での意味はいったい?

工事現場
※画像はイメージです(以下同じ)

A. 請け負った工事を下請けにすべて一括発注すること

 大手ゼネコンなどが、請け負った建設工事をすべて下請け業者に一括発注することを「丸投げ」と呼びます。

 丸投げは「公共事業」に置いては法律で禁止されており、「民間工事」では2006年以降、マンションなどの多人数が利用する施設などについては禁止されています。

 丸投げは、それなりにメリットがあったからこそ常態化していました。ゼネコン側は管理料と工事の実績を挙げられますし、マンションを販売する側は「大手ゼネコンが施工したので安心です」と言ってPRすることができます。

 しかし、以前「耐震強度偽装事件」などが起こった際、「大手ゼネコンが施工」という説明を信じてマンションを購入したにも関わらず、実際には工事が孫請け会社に丸投げされていたため、責任の在り方が曖昧であったことが大きな問題になりました。

 このため、受注した工事を下請けに出す場合は、必ず技術者を配置し、下請けへの指導監督や品質管理、完成検査などを行うことが定められているのです。

Q.「マリコン」って何?

「マリコンで頑張ってます」

 可愛い名前ですが、誰かのあだ名ではありません。

建設

A. マリンコントラクタ(=海洋土木業)

「マリコン」は、港湾施設の建設、護岸、海底工事、海底トンネルの建設、橋梁の建設などの「海洋土木業」を中心にしている建設業者のことを言います。

 東日本大震災では港湾施設に大きな被害が出たため、その復旧に活躍し、注目が集まりました。現在も続く復興工事や、堤防の建設など、マリコンの活躍なくしては日本の災害安全対策は成り立ちません。

 そのマリコンがもっとも関係を重視しているのが漁業組合。その理由は漁業組合が漁業権を持っているからです。漁業権とは「一定の水域において漁業を特定の期間、排他的に営む権利」。これを侵害すると漁業権侵害罪という犯罪になってしまいます。

 マリコンは、この漁業権を持つ地元の漁業組合に許可をもらわなければ工事をすることができません。そのため「地場マリコン」と呼ばれる地域に密着したマリコンは、漁業組合の組合長やOBを役員に招き、協力関係を結びます。

 しかし、中には立場を悪用して、自らの利益のみを追求したり、水質汚染を招くような行為をする悪質な漁業組合関係者がいて、問題になることもあります。

TEXT/都田ミツコ モデル/東山美紗(SPA!DOL)>

※参考:『図解入門業界研究 最新建設業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(第3版)

【都田ミツコ】

編集者ライターエッセイスト。日課は今朝計った体重を妹にラインで送りつけること。