国内“お披露目”コロンビア戦は0-2で完敗 「綺麗に崩そうとし過ぎた」

 森保一監督率いるU-22日本代表は17日、国際親善試合コロンビア戦(広島)に臨み、0-2で完敗した。A代表のMF久保建英(マジョルカ)とMF堂安律PSV)が国内“お披露目”となる一戦で揃って先発するも、無得点。3-4-2-1のシステムで2シャドーに久保と堂安が入ったが、ゴールを奪うことができず、来年開催される東京五輪に向けて多くの課題が残る結果となった。そのなかでも久保は「やるからには優勝しかない」と東京五輪の目標を再認識した。

 東京五輪世代の国内“初陣”、新ユニフォームを身に纏って臨んだ一戦は厳しい結果となった。エース候補の久保は、堂安とともに前半の立ち上がりから個人技で見せた。同7分、ハーフウエーラインからドリブルで約30メートル駆け上がり、会場からは大歓声。同13分にはGK大迫敬介からのロングフィードをピタリと止め、技術の高さを発揮した。

 初めて揃って先発した堂安との連係も高まり、前半17分には2人のワンツーで一気にチャンスメイク。前半終了間際からは堂安と左右を入れ替わりながら状況打破を試みたが、ゴールまでには至らなかった。後半2分に失点し、同14分には2失点目。同17分にMF三好康児(アントワープ)を投入後はシステムをA代表で馴染みある4-2-3-1に変更し、左サイドにポジションを移した。後半35分にはマイナスのパスで堂安の右足シュートを演出。わずかにゴール左にそれたが、息の合ったプレーだった。それでも、最後まで得点できずに完敗。試合後、久保は冷静に分析しながら敗因を振り返った。

「まず結果は見ても分かる通り0-2で負けましたし、内容も綺麗に崩そうとし過ぎた場面もあって、もうちょっと簡単にシュートを打っても良かったかなと思います。前半はチャンスらしいチャンスがなくて、どっちかというと攻撃の人数を3人で、というよりかは攻撃に厚みをかけるのが前半は足りなかったのかなと思います。後半なんかは最後のところでちょっと綺麗に崩そうとしすぎたのかなと思います」

 自身はシュート2本に終わったが、左サイドで好機を演出。堂安の特徴も生かしながら、ダブルエース候補として、クオリティーの高さは示した。だが、あくまで目標は東京五輪。8カ月後にメダルを掲げることだ。

試合後に改めて目標を明言 「『あのときに負けていて良かった』と思えるように…」

東京オリンピックだからとか関係なく、やるからには優勝しかないと思いますし、今日の試合の後でも自分は言いました。そういうところで自分自身はプレーしていると掲げつつ、やっぱり同年代の人たちには負けられないと思いますし、これで本番になって選ばれればですけど『あのときに負けていてよかったな』と思えるようにしたいです」

 この日の収穫についても言及している。試合後に森保監督は選手たちに東京五輪で「金メダルを獲得すること」と目標について改めて明言したという。そのためには何ができるのか。そう感じられること自体が“収穫”だったようだ。

「強いて良かったことを挙げるとすれば、負けたことでみんなに危機感が生まれたことだと。でも(代表)活動はないので、各々がチームで成長するしかない。それで次の招集までにもっと成長することしかないのかなと思います」

 久保自身も口にした「優勝」。同世代と戦う五輪では「負けたくない」のではなく、「負けられない」。この一敗の悔しさを誰よりも重く受け止め、糧にすると誓う久保の姿がそこにはあった。(Football ZONE web編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

MF久保建英は積極的にボールを受けプレーした【写真:浦正弘】