「決闘」は時代や国により異なるものの、一般的には2人の人間が事前に決められた同一の条件のもと、生命を賭して戦うこと果し合いのことだ。
その歴史は古く、6世紀頃から制度として存在し、裁判で決着がつかない場合、被害者が被告人に決闘を申し込む決闘裁判が行われていた。
正式な制度としての決闘裁判は15世紀までに廃れたが、その後もヨーロッパでは私闘としての決闘が行われていた。フランスでは20世紀はじめまで、決闘はごく普通に行われ、その結果が新聞に掲載されたほどだ。
この映像は、1967年にフランスで行われた決闘を録画したものである。映像で残されたものとしては最も古いものとされている。
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1967 Epee Duel Deffere vs. Ribiere
当時のマルセイユ市長と若手議員による決闘
当時マルセイユ市長で、社会党の大統領候補だったガストン・デフェールが、議会で発言していたとき、若手の議員のルネ・リビエールが席で「間抜け!」とヤジを飛ばし始めた。
「だまれ、くそやろう!」デフェールが叫び返し、それがきっかけでリビエールがエペ(フェンシングの剣)を使った決闘をデフェールに挑んだのがこの決闘である。
エペは、伝統的なフェンシングで用いられていた決闘用の武器に最も近い剣である。決闘用の剣は、相手を死に至らしめるというよりは、最初にはっきりと傷を負わせて流血させるために、上からの圧力で開発された。
リビエールより12歳年上だったデフェールは、切れ味の悪い剣での決闘を持ちかけたが、リビエールは最初に血を流させるために鋭い剣を要求した。リビエールが最初に出血したが、決闘をやめようとしなかった。だが、再び攻撃を受けて、立会人がやめさせた。
デフェールはそののち、1981年~1984年にフランソワ・ミッテランの元で内務大臣を務め、1986年5月7日、75歳でごく普通に亡くなった。リビエールは、クリスマスの日に76歳で亡くなった。
ふたりは、フランスで最後に決闘した者同士として、常にセットで語り継がれている。
決闘の歴史
決闘の歴史は古く、その起源は遥かわたしたちのDNAにまでさかのぼる。剣や銃を使う正式な決闘は、中世の決闘裁判から発展し、さらに古くはヴァイキング時代の争いを解決する手段であるホルムギャング(決闘の意)のような古い習わしだった。
ヨーロッパ、アメリカ、カナダでは、決闘は名誉を回復するための行為でもあった。当事者間の立場というものがなにより重要で、ときに命にかかわる結果、つまり死を招くまでエスカレートすることもあった。
幸いなことに、この習慣は現代ではすたれている。日本では、決闘罪ニ関スル件(1889年制定)により、決闘は禁じられている。
カナダでの最後の決闘は、1833年のこと。ロバート・ライアンという男が、地元の学校教師をめぐって、ジョン・ウィルソンに決闘を申し込んだが、ウィルソンがライアンを殺して、その学校教師と結婚した。
イギリスでの最後の決闘は1852年、ふたりのフランス人政治亡命者フレデリック・コルネとエマニュエル・バーテルミーの間で行われた。バーテルミーがコルネを殺し、その罪で絞首刑になった。
アメリカでは1859年が最後。奴隷制に賛成する元カリフォルニア州首席裁判官デヴィッド・テリーが、奴隷廃止論者の上院議員デヴィッド・ブロデリックを殺した。
テリーは逮捕されたが、この件は棄却された。ふたりが9メートル離れて立った場所は、今や歴史的な名所となっている。使用されたピストルは1998年にオークションにかけられて、3万4500ドルで落札された。
References:The last duel in Europe, and it was filmed/ written by konohazuku / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52276974.html
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