バケツ(Михаил Руденко/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

自分の頭と顔に降りかかってきた、生温かいスープのようなもの。一瞬、自分の身に何が起きたのかわからなかったという被害者だが…。

■観光地ハリウッドで…

米国ロサンゼルスの観光スポットとして大変有名な、「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム」の近くで少し前に起きていたその事件。とんだ奇行につき投獄されたのはジェレ・ブレッシングズという統合失調症の男で、被害者はたまたまその場にいた女性だった。

ホームレス精神疾患を持つ者による犯罪が多発しているロサンゼルス。彼らに対する処罰も再犯対策も甘いあたりが、「この町らしい」と話題になっている。

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■悪臭を放つ生温かいものが…

その夜、女性は高級なタイ・レストランで友人と楽しい夜を過ごした後、車を移動させてハリウッド・ブールバードで駐車。ブレッシングズは降りようとした彼女の腕をいきなりつかんで歩道の真ん中まで引きずり、倒れた彼女の上から持ってきたバケツの中身をぶちまけた。

そこには1ヶ月分を溜めたかと思うほど大量の、生温かい下痢便が入っていたという。

■感染症を念頭に慎重な検査

女性は通報により駆けつけた救急車ハリウッド・プレスビテリアン医療センターに運ばれ、糞便に接触したことで危惧される各種の感染症について検査。3ヶ月ごとに新たな検査を受ける必要があるとも告げられた。

また、想像できないショッキングな経験をしたことにより、女性は心的外傷後ストレス障害PTSD)を発症してしまった。犯罪被害者を救済するための公的支援を受けられないものか模索しているが、ロサンゼルス警察は問い合わせても知らん顔だという。

■危険人物が野放しに

一方、統合失調症および精神病性障害との診断を受けたブレッシングズ。彼は刑務所を2ヶ月で出所し、精神疾患患者向けの住宅へ送られるも今年8月にはそこを出て、再び自由の身となっていた。

被害者女性はそのあたりについて『NBC News』の取材に、ブレッシングズに必要なのは服役ではなく精神疾患の徹底した治療だと主張。

「狂気漂うあの男の顔は忘れられない。次の犠牲者はナイフで刺される可能性も」と語り、再犯の危険性を持つ者が無治療のまま放置されていることの恐ろしさを強く嘆いた。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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