軽くて強いのが特徴の炭素繊維は、自動車や飛行機などに利用されているが、この分野で日本は世界をリードしている。国内3社で世界シェアの約7割を占めているほどだ。中国メディアの今日頭条は15日、「日本の炭素繊維産業はどうやって世界を制覇したのか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の炭素繊維は「製品の質、生産コスト、研究開発力のすべてにおいて強い」と紹介。「成功は偶然ではない」というが、なぜ世界の中でも日本はこれほど強いのだろうか。記事は、8つの理由が考えられるとして紹介している。

 その1つは「政府の強力なバックアップ」だ。人材育成だけでなく、財政面でも大きな助けになっているとした。2つ目は「業界内での協力関係」で、日本の炭素繊維の業界内では、かなり早い段階で協力関係が始まっていたと紹介。3つ目には「企業間の良好な競争があったこと」、4つ目には「特許を重視したこと」を指摘している。日本の炭素繊維の製造技術は非常に複雑で、日本はその核心的な技術を握っており、特許も世界で最も多いという。

 5つ目は「川上産業と川下産業が協力し合う」ので、違う分野の研究開発が進んでいると紹介。6つ目には「人材育成を重視」していること、7つ目は「効率重視」で、新材料と新技術により生産の効率を上げ、炭素繊維の応用分野を開拓していると紹介している。最後の8つ目は、「長期的な視点」を挙げている。先を見ているので、研究開発費の7割を新製品の技術に費やしていると紹介、「だから日本の企業が世界のトップにいられるのだろう」と感心している。

 現時点では世界をリードしている日本の炭素繊維だが、中国などの海外メーカーも続々と追い上げを図っている。優位性を保つためには、現状に満足せず研究開発を継続していく必要があるだろう。ぜひ海外メーカーに追いつかれることなく今後も炭素繊維メーカー各社が発展していくことを期待したい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

強すぎる日本の炭素繊維、いかにして「世界を制覇」したのか=中国メディア