寝入りばなに「ドカン!」という大きな爆発音がして飛び起きたものの、実際のところ、周囲では何も起こっていない。そんな経験があるとしたら、それは「頭内爆発音症候群(exploding head syndrome)」かもしれない。
アメリカの統計によると頭内爆発音症候群を持つ人の数は20%とも言われており、5人に1人は「ドカーン!」を経験したことがあるという。
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頭内爆発音症候群とは?
『頭内爆発音症候群』とは、入眠時に頭のなかで爆発音を聞いたり、ときには閃光を見たりする現象のことで、頭のなかで鳴る音は、爆発音や花火のような音から、銃声、ドアをばたんと閉じる音、叫び声やうなり声、雷鳴までさまざまだという。ほとんどの場合、数秒以内に音は消える。
頭内爆発音症候群は眠りを妨げるのはもちろん、頻繁に起これば、経験した人は自分は何かおかしい病気にかかってしまったのでは?と不安になったり、誰かに狙われているのではと疑心暗鬼になるなど、数々の精神的な問題にもつながる。これにより、パニック障害やうつ病、一時的な頻脈を引き起こす場合もあるという。
以前は50歳以上の人にしか起こらない稀な症状だと思われていたが、米ワシントン州立大学のブライアン・シャープレス博士の最新の研究によれば、若い人も含めた人口全体の10~20%が一度は頭内爆発音症候群を経験していると推定されるという。ちなみに、男性よりも女性のほうがなりやすいとも言われている。
アメリカでは5人に1人が経験
今回、シャープレス博士が面接調査を行った211人の大学生のうち、5人に1人が少なくとも一度は頭内爆発音症候群を経験したと回答した。また、そのうちの3分の1が、過去に金縛りも経験したことがあったという。
原因についてはまだよくわからない点が多い。人間の脳が眠りにつく過程は、コンピュータが徐々にシャットダウンするのに似ているという。ところが、音を司る脳細胞が正常にシャットダウンする代わりに、何かの拍子に一気に起動するため、その衝撃を脳が爆発音として解釈するのではないかというのが研究者らの見方だ。
頭内爆発音症候群も金縛りも、基本的に原因不明の現象であり、有効な治療法がない。そのため、超常現象だと見なす人や、それに悩まされる人のなかには「陰謀論」に行き着くケースも少なくないとシャープレス博士は語る。
あるいは、自分がおかしくなっているのではないかと考え、家族にも言えずに思い悩んでしまうケースも少なくないようだ。
しかし、今回の研究結果が明らかにした通り、頭内爆発音症候群はけっして奇病などではなく、一定層が経験しているもので、そのことを知るだけでも「悩んでいるのは自分だけではない」という安心感につながり、またそう認識することで実際に症状も軽減する可能性があるとシャープレス博士は指摘する。
また、完全に治すところまではいかないが、爆発音を小さくする効果を持つ薬が現在、実験段階にあるという。
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