年末の一大イベントといえばクリスマスだ。アメリカでは11月後半のサンクスギビング以降、ヨーロッパではハロウィンを終えると、街中がクリスマス色に染まる。日本もそれは同様だ。
最近では伝統的なクリスマスソングと共にワム!やマライア・キャリーなどのポップなクリスマスソングが町中のあらゆるところから聞こえてくる。
だが、イギリスのある店では店内でポップなクリスマスの定番ソングを流すことを一切禁止にしたそうだ。
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ポップなクリスマスソングを一切禁止
ノース・ヨークシャー州に位置するヨークは、中世の面影を残した古く美しい都市で、多くの人がイギリスらしい雰囲気を味わえる北の街としてここを訪れる。
チューダー様式の建物の中には、数々のショップが入っているが、その歴史ある佇まいはいわばヨークの特徴のひとつとなっている。
クリスマスまであと1か月少しということで、他の地域同様ヨークの店の多くは店内にクリスマスデコレーションを飾り付けたり、クリスマスソングを流したりして、年に1度の大イベントを祝う雰囲気が十分だ。
通常この時期になると、店の多くがポップなクリスマスソングで客を出迎え、陽気な気分にしてくれる。しかし、クラフトジン(お酒)の店『York Gin』では、ポップなクリスマスソングを店内で流すのを一切禁じた。
スタッフをうんざりさせる
たまに聞き流す分には良いが、毎日同じ曲を何度も聞かされる店員にとっては地獄となる。一部の顧客にとっても同様だ。
『York Gin』の店長エマ・ゴディバラさんによると、あらゆるクリスマスソングが既にショッピングセンターなどあちこちで流れているため、店の顧客は「店内では定番の曲禁止」という変化を歓迎しているという。
店員がうんざりしないクリスマスソングを選曲
私たちは、もちろんクリスマスが大好きです。でも店は、安っぽい雰囲気から遠ざけたいという気持ちがあります。16世紀のチューダー様式の建物には、明るい雰囲気のポップな歌は合わず、当店の美学にも反します。そこで、多くのクリスマスソングを店で流してみて、スタッフが8時間聞いていてもうんざりしないような曲を選びました。主に1960年代以降の曲を禁止しましたが、スタッフはこの決定に満足しています。
とは言え、もしマライア・キャリーが来店してくれたら、やっぱり『All I want for Christmas is you(恋人たちのクリスマス)』をかけてしまうかもしれません。
クラッシックなクリスマスソングで店内を盛り上げる
クリスマスポップスの代表アーティストでもあるワム!やマライア・キャリーの歌は流れなくとも、『York Gin』にはくるみ割り人形などのクラッシック音楽や、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルドなど、落ち着いたクリスマスソングが流れている。
私たちの音楽のプレイリストは、週2回以上同じクリスマスソングを聞かずにすむように編集してあります。スタッフも顧客も、そのリストに満足しているという自信があります。
と話している。
クリスマスに同じ曲が繰り返し流されることに関する研究
クリスマスソングに関する研究によると、基本的には同じ音楽を一定時間聴けば、脳は飽和状態となり、それを不快なものと感じ始めるという。
特に年末は出費が大きかったり、飲み会や親せきづきあいなど別のストレスがくわわり、一層それがつらく感じられるのだそうだ。
だけどクリスマスソングはなくならない。この時期に確実に流されている。それはいったいなぜなのか?
店側が顧客の財布の紐を緩ませる効果があると考えているからだ。
他にも理由はある。やはりクリスマスは年に一度の特別なイベントなので、クリスマス特有の飾りつけや楽しい曲は脳に快楽物質であるドーパミンの放出を促すという。
だから、適度であれば幸せな気分にしてくれるのだ。
確かに街中のクリスマスの飾りつけは特別感があるし、素晴らしいものもある。今年もついにこの季節がやってきた!と心躍るし、クリスマスソングも適度に聞いている分には楽しくなれる。
ただしそれは心の余裕がどれだけあるかによるのかな。あとはクリスマスソングのバリエーションをもっと増やしてくれるとまた違うのかな。
References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo
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