逮捕(TAGSTOCK1/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

テレビや新聞などで散々その危険性が周知されている、オレオレ詐欺等の特殊詐欺だが、依然として被害にあう人は少なくない。

多くの人が「お金を騙し取られたくない」と考えるだろうが、中には肉親や恋人が騙す側になってしまうケースも。バーチャルユーチューバー懲役太郎が自身のYouTubeチャンネルにアップした動画が注目を集めている。

■懲役太郎とは

懲役太郎は「前科3犯、(称呼番号)893番、懲役太郎です。」というフレーズで人気上昇中のバーチャルユーチューバー。「刑務所に服役中であり、職業訓練の一貫として、ユーチューバー活動をしている」という(設定の)人物だ。

裏社会や反社な人々の生態、刑務所拘置所事情などに詳しいことが特徴で、自身の実体験に基づいている(と思われる)ディープな動画をこれまでに多数アップ。

あおり運転されやすい車の特徴」「反社が教える絶対に自転車を盗難されない方法」「反社組織の組長が溺愛する孫に事務所でアニメを観せて起きた悲劇」など、濃い内容のテーマを、独特な質感の声で軽妙に語っている。

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■肉親が特殊詐欺で逮捕されたら…?

有料の電話相談を行なっている懲役太郎。様々な犯罪の実態に詳しい彼のもとには、肉親や恋人が特殊詐欺で逮捕されたという相談が多く寄せられるという。

初犯にも関わらず実刑をくらい、面会することもできないと訴える相談者の多くは「どうしたらいいですか」「そんな悪い子じゃないんです」などと慌てふためいているようだが、懲役太郎はそのような言い訳は「通用しない」としたうえで、毅然とした対応を取ることを勧めているようだ。

理由は単純で、「これだけやってはいけないよと言われて」いる今の状況で特殊詐欺に関わった罪は重い、ということだ。

■突き放すのも大事?

受け子・掛け子・運転手などどのような関わり方でも、特殊詐欺は一発で実刑になることが多いと説明すると、懲役太郎は保釈申請についてもする必要はなく、逮捕された人のところへ何かを送る必要もないと述べる。

むしろ、そうするくらいなら「弁償してあげてください」と被害者のことを考えるのが筋だと主張するが、特殊詐欺は被害額が1000万円を超えているようなケースも多いようで、弁償することも難しいようだ。

そして、「情状証人ではどう立てばいいですか」という質問については「家族の私でもこの人がやったことは許せません」「正直言って、情状証人として立つのも嫌でした。だけど親なんです」というスタンスで立つことを勧めた。

■「本人のためを思うと…」

もし肉親や恋人が特殊詐欺に関わっていたら、「なにか理由があったに違いない」「魔が差しただけで本当は悪い子じゃない」と言いたくなる人は少なくないだろう。しかし、相手のことを思うからこそ、突き放すのも大切。

懲役太郎のメッセージに、コメント欄では「思ったより心に来る話だった…」などの声のほか、「身内が四の五の言わないことが、当人にとっても被害者にとっても大切ですね」「本人のため、被害者の方のためを思うと太郎さんの仰る様に毅然とした態度で突き放すことも必要だと思いました」などの声が寄せられている。

犯罪をおかした人がいるということは、その被害にあった人もいる。手を差し伸べるだけが、相手を救うワケではないということなのかもしれない。

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(文/しらべぇ編集部・宝田洸太

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