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18日、長野で平年より11日遅くカエデの紅葉を観測しました。2019年のカエデの紅葉は、平年よりも遅い地点が多くなっていますが、なぜ遅れ気味の地点が多くなっているのでしょうか。

紅葉前線 例年よりゆっくり南下

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11月、いよいよ秋も深まってくる季節。週末は紅葉狩りに出かけた、あるいはこれから出かけるという方も多いのではないでしょうか。
全国の気象台では、カエデの紅葉・落葉を観測しています。きょう18日、長野でイロハカエデの紅葉が観測されましたが、平年より11日遅い観測となりました。また、きのう17日に観測された盛岡も、平年より9日遅い観測でした。新潟や福島では、今年はまだカエデの紅葉は観測されておらず、同じく平年より遅い紅葉となっています。

今年の紅葉 なぜ遅い?

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2019年の紅葉は、今の所「記録的な遅さ」とまではいきませんが、やや遅い所が多くなっています。紅葉は、秋(9月~11月)の気温が低いと早まり、高いと遅れます。2019年は、9月から10月にかけて、落葉樹が見られる地域としては全国的に平年よりも気温がかなり高くなりました。
この11月に入って、ようやく朝晩の冷え込みが強くなってきたため、遅れていた地域でも、やっと色付きが進み始めたと言えそうです。

そもそも、なぜ秋になると紅葉するの?

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私たちの目を楽しませてくれる紅葉ですが、そもそも、どうして秋になると色が変わるのでしょうか。
落葉樹の葉の色素には3種類あって、それぞれどの色が多いかで葉の色が決まります。緑色がクロロフィル、黄色がカロテノイド、赤色がアントシアンです。通常は、クロロフィルとカロテノイドが含まれています。
秋になり空気が乾燥して気温が下がってくると、冬を乗り越えるために、最小限の水分と栄養でやりくりできるように、木は葉を落とす準備をはじめます。葉への水分と栄養の供給がストップすると、緑色のクロロフィルが衰退・分解されて、次第に緑色が消えていきます。イチョウの場合は、残ったカロテノイドの色が「黄色い紅葉」の正体です。カエデの場合は、この仕組みに加えて、光合成によって糖が生まれ、蓄積されていきます。この糖は、紫外線を浴びるとアントシアンに変化するため、徐々に赤くなっていくのです。
美しい紅葉は、植物が冬を耐え抜くためのものだったのですね。

今週は紅葉の色付きが進む一週間に

さて、あす19日(火)は今日の暖かさから一変して、平年並みか平年よりも気温が低くなり、12月上旬頃の寒さとなる所もありそうです。20日(水)以降22日(金)頃までは、平年並みの気温が続く所が多いでしょう。今週は、冬を迎える準備を始める木々も多くなり、各地で徐々に紅葉も進みそうです。

今年の紅葉はなぜ遅い?今週は寒さ戻って色付き進む