平成Kana Design Image/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

この一年で発表されたテレビCMからポスターwebなど様々な媒体の広告コピーの構造や、頻出した言葉を自然言語処理にかけて分析し、その年の世相を現す広告コピーとしてマッシュアップする『広告コピービックデータ解析』が発表された。

■東京コピーライターズクラブが毎年発表

この企画は、東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体である東京コピーライタークラブ(TCC)と、かっこ株式会社との共同プロジェクトとして、年末に実施しているもの。

昨年は「AI」という名詞が躍進するなど、時代や社会に広告がどんな影響を受けたのかを振り返るうえで、毎年、興味深い結果が得られている。今回の分析対象になったのは、歴史ある広告賞「TCC賞」に応募された25,045件の広告コピー

その中から「1社で大量に出稿された広告は1カウントとする」などの配慮のもとに、多くの広告コピーで採用された表現を再構成する手法がとられている。

関連記事:広告を言語分析して生まれた「2016年を象徴するキャッチコピー」が衝撃的

■「平成」を使った広告コピーは3.6倍に

2019年といえば、「平成」から「令和」へと元号が切り替わった1年だった。 多くの人が、新元号への興味とともに年の途中でほんの少し立ち止まって、「平成」という時代について振り返ったのではないだろうか?

広告コピーにおいてもその影響は顕著で、「平成」という名詞の増加率は前年比で、じつに3.6倍にのぼっている。 「平成」が使われた広告コピーを具体的に振り返ってみると、

TCC広告コピー

平成が終わっても、ここでは昭和が続いていく。 (東京都公衆浴場業生活衛生同業組合)

TCC広告コピー

明治。大正。昭和。平成。 女性はずっと、強くて弱かった。 (ツムラ)

TCC広告コピー

平成も終わるのに、 なぜ、年末調整の手続きは 昭和のままなんだろう。 (SmartHR) などなど。

■「向き合う」という動詞も増加

年号が変わることで節目を意識しながらも、時代の連続性、その中にあっても変わらぬ庶民の営みを生活者の視点に立って語り掛けるような表現が散見された。

また、動詞では事態を直視するときや、お互いに正面を向いて相対するときに使われる「向き合う」という表現が、前年比で増加率2.6倍となっている。

■「2019年の広告コピー」をマッシュアップ

このような結果から、2019年の広告コピーを再構成して浮かび上がってきたのは…

TCC広告コピー

「さらに平成と向き合います。」

新しい年号に変わろうとも、時間は連続していて、未来は過去の行いの延長にある。 そこにきちっと相対してから新たな時代を迎えようという気構えや覚悟、そして反省をも感じさせる言葉が、マッシュアップされる結果となった。

TCC広告コピー

来年はいよいよオリンピックイヤー。 社会を映す鏡ともいわれる広告コピーは果たして何を語るのか。 来年の分析結果に向き合うのが今から楽しみだ。

・合わせて読みたい→「日本一エッチな斎藤さんだぞ」 新人AV女優・斎藤あみりが野望を語る

(文/かっこ株式会社成田武雄

2万件以上のキャッチコピーで2019年を振り返る 広告は「平成」について反省していた