2020年3月6日(金)より公開の映画「Fukushima50」の撮影に米軍が協力をしていることが発表された。

【写真を見る】ダニエル・カールが在日米軍横田基地第374空輸航空団の将校を演じる

本作は、ジャーナリスト・門田隆将によるノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎福島第一原発」(角川文庫刊)が原作だ。

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、想像を超える被害をもたらした福島第一原子力発電所、通称・イチエフ。その現場に残って対応を続けた作業員たちは、世界のメディアから“Fukushima50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。

本作ではそんな作業員たちにスポットを当て、あの現場で一体何が起きていたのか、その知られざる真実を描いていく。

主演を務めるのは佐藤浩市。福島出身で原子炉から最も近い中央制御室を指揮する、1・2号機当直長、伊崎利夫を演じる。また、福島第一原発所長・吉田昌郎役を渡辺謙が務めるほか、吉岡秀隆、安田成美も出演が決定している。

日本映画として初めて、米軍が撮影に協力していることが判明した本作では、2011年当時に実施された被災地を支援する米軍の「トモダチ作戦」が描かれ、2019年1月28日在日米軍横田基地において撮影が行われた。

作戦会議のシーンでは、施設内にある実際の作戦会議室が貸し出され、米軍所有のヘリを実際に飛ばし、東北支援に向けて発進するシーンが撮影された。撮影に際して、米国防総省への申請および許可が必要となり、日本映画では実績も交渉ルートもないが米国大使館関係者の協力のもと、米側安全保障チームと粘り強く交渉を続けた結果、撮影の許可が下りたという。

在日米軍横田基地第374空輸航空団の将校・ジョニーを演じるのはダニエル・カール。また、基地内で募集された本物の米軍がエキストラとして多数出演している。

また、当時総理大臣自衛隊の要人輸送ヘリで福島第一原発を緊急訪問したが、そのシーンを再現するため、通常は皇室や総理大臣など国内外要人の移動に使用される輸送ヘリが登場。さらに、空から建屋の放水を行ったヘリコプターの撮影も行われ、放水シーンでは、当時の作戦に従事した隊員が協力し、機体内部の被ばくを防ぐアクリル板や装備等も忠実に再現された。

■ ダニエル・カール コメント

「Fukushima 50」(フクシマフィフティ)の製作に携わったすべての人に成り代わり、この場を借りて在日米軍の皆様に感謝の意を伝えたいと思います。いくつかのシーンを撮影するに当たり横田基地を実際に使用させていただき、また現役の空軍兵の方々にエキストラとして参加していただくなど、快くご協力いただいたことに感謝しております。

今回の映画は、実際日本の米軍基地内での撮影が許された最初の映画であると思いますし、その映画に関わらせていただけたことを光栄に思います。個人的にも基地での撮影はとても楽しいものでした。みなさん、とても気さくに私の質問にも応じてくれて、貴重な経験をさせていただきました。そして、どうやったら軍人らしい立ち居振る舞いになるかなどを教えていただいたアドバイザーの方には特にお礼を申し上げます。おかげで場面のリアリティが増したのではないかと感じています。

東北に強い絆を持つアメリカ人の一人として、あの「トモダチ作戦」の発令を行った司令官役を演じさせていただけたこと を本当に誇りに思います。私自身震災後何度も東北に足を運び、地域の人々と話してきました。米軍のみなさんの適切な支援、援助には誰もが本当に感謝し、これからもずっと語り継いでいくものと思います。本当にありがとうございました。

■ アメリカ空軍コメント

アメリカ合衆国国防省とアメリカ空軍は、横田基地において、映画「Fukushima 50」(フクシマフィフティ)の重要なシーンの撮影に協力させていただきました。1日の撮影で、米国政府に費用負担をかけることなく、品位、自己奉仕、優秀さ、という空軍が掲げる本質的価値を損なうことなく、空軍隊員をしっかりと描写していただきました。我々空軍隊員は難しい状況下であっても対応できるように訓練されており、それは現地における救助活動を共同で行った行為に大いに反映されており、そして今日空軍が全世界で行っていることの証ともなっております。(ザテレビジョン

映画「Fukushima 50」で米軍が撮影協力