「東京の文京区・本郷にあるハンバーガー店のラーメンが美味しい」という情報を入手しました。教えてくれたのはラーメンオタクの30代男性。彼は勤務地が本郷三丁目。界隈にはラーメン屋がたくさんあり、すでにあらゆる店のラーメンを食べ尽くしているそうですが、意外にもハンバーガー専門店で食べたラーメンがめちゃくちゃハイレベルだった、というのです。それがランチセットの「ラーメン&ハンバーガー」だそう。
ラーメンとハンバーガー!? ジャンク×ジャンクなうえに “糖質&糖質”。なかなか見かけない組み合わせです。でもよくよく店名を聞いて「あっ」と思い出したのです。それは、筆者が1年半前に食楽webで紹介した創作フレンチの『hide mode(ハイドモード)』という店。取材当時はオープンしたばかりでした。看板料理「塩バーガー」が、肉々しくて、バンズがカリッとしていて絶品。でも、メニューにラーメンはなかったはずですが…
こちらのオーナーシェフはフレンチ出身。その経験から生み出した「塩バーガー」は、A5ランクに匹敵する国産牛を叩いて理想的な食感のパティに仕上げ、そこに自家製のマヨネーズやヴィネグレットソースを合わせていました。また、ブリオッシュバンズも白胡麻油100%で焼き上げた手作り。まるでステーキのような肉汁したたるグルメバーガーを作っていたのです。
そのシェフがラーメンを出すなんて、もしかしてオーナーが変わったのかな? などと余計な詮索をしつつ、潜入してみました。
元フレンチシェフが作るラーメンとは?
お店は、本郷三丁目駅から徒歩3分ほどの場所にあります。昼過ぎに店に到着し、表の看板に書かれたランチメニューを確認。Aランチが「ハイド塩バーガーセット」、Bランチセットが「ハイドラーメン・ミニ塩バーガー、フリードリンク」(1000円)と書かれており、たしかにラーメンがありました。しかも入店すると、ほとんどのお客さんがBランチセット、つまりラーメンを食べているのです。
カウンターの中では、以前、取材でお世話になったオーナーシェフの大平秀幸さんがいました。バーガーをつくりながら麺を茹でて丼に麺を投入したり、1人で大忙し。
さっそくBセットのラーメン&バーガーを注文しました。1000円でフリードリンク付きということで、カウンターの奥には、ドリンクバーもあります。
待つこと5分。登場したラーメンとミニバーガーのセットがこちら。
真っ白な丼にクリーミーなスープ。トッピングにはバジルとバジルソース、トマト。チャーシューからは薫香が漂い、ラーメンというよりはスープパスタのよう。スープを一口飲むと、生クリームのまろやかな味に、出汁のきいた上品な味わい。麺をすすれば、そのスープがよく絡んで塩気もほどよく、ものすごく優しい味です。
「牛骨出汁に生クリームを加えているんですが、バーガーと一緒に食べても重くならないように、ラーメンは軽めの味に目仕上げているんですよ」と大平さん。
日本のラーメンは、量が多すぎて、食べた後に胃もたれしたりすることも多いですが、こちらのラーメンは、非常に軽いのが特徴。続いてハンバーガーを食べると、通常サイズの塩バーガーをそのまま小さくした、いわゆる「スライダー」です。かぶりつくと、ブリオッシュバンズのカリッサクッとした食感に続き、肉の香ばしさと、肉汁が口に広がります。う~む、やっぱり美味しい。
これもあっさりと完食。ラーメンとハンバーガーを食べたのに、食べすぎて苦しい感じもなく、女性にもちょうどいい具合です。とはいえ男性陣も嬉しそうに食べていて、ラーメンのスープに追い飯(ごはん50円)を投入している人もいました。これも美味しそう!
ラーメンとハンバーガーという珍しい組み合わせですが、全体の味のバランスがよくて、すぐにまた食べたくなるようなセットでした。
また、このラーメンには辛口の「ハイドラーメン ハード」というのもあり、また食べ行こうと思っています。というわけで、ハンバーガーとラーメンの意外な組み合わせですが、正直、太る気がしないくらい軽快なランチ。絶対オススメです。
(撮影・文◎土原亜子)
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