2019年12月13日(金)~12月15日(日)d-倉庫にて、池の下『狂人教育』ポーランドツアー凱旋公演を行う。

池の下は、1996年1月、演出家・長野和文を中心に、演劇と舞踏の融合する新たな地平をめざし結成。その後、寺山修司初期作品連続公演を8月からスタートさせ、寺山の未知なる面に新たな光をあてる作業を行ってきた。2006年8月の利賀演出家コンクールでは、野外劇場で寺山修司の代表作『犬神』を上演し、優秀演出家賞を受賞。さらに、2007年夏には、寺山の人形劇台本『狂人教育』を俳優たちによる池の下独自の身体表現方法で創作し、3カ国6都市連続公演(韓国:密陽演劇祭/ソウル公演)(大阪公演)(名古屋公演)(東京公演)(上海:国際小劇場演劇祭)を敢行して好評を得た。

『狂人教育』は、寺山修司が1962年人形劇のために書き下ろした唯一の人形劇台本。池の下は本作を、2019年10月、ポーランドのグダニスク・シェイクスピア劇場とグロトフスキ研究所より招聘を受けて上演し、テレビ取材や各種媒体で取り上げられるなど様々な反響を呼んだ。今回はポーランドツアーの成果をふまえた凱旋公演となる。

『狂人教育』公演写真

『狂人教育』公演写真

『狂人教育』公演写真

『狂人教育』公演写真


 
『狂人教育』あらすじ
舞台は、元貴族が住んでいたと思われる「人形館」。小児麻痺の女の子の蘭は、この屋敷で家族と住んでいる。やぶにらみで船の設計士の祖父と、猫きちがいの祖母、吃りでベルリオーズの熱狂的ファンの父、淫蕩な姉のマユ、虚無的な詩人の兄の鷹司。家族は専制的な祖父の下で暮らしていた。ある日、法医学者のドク氏がこの一家に宣言する。「この家にたった一人だけ気違いがいる」。祖父は一家の名誉を守るため、気違いを探し出し、密殺してダリア畑に埋めることを決定する。そのときから、家族のヒステリィックな気違い探しが始まる。