結婚は家同士がするもの――昔に比べると、こういった考えは薄れてきましたが、相手の両親や親族との付き合いは簡単に避けられるものではありません。

結婚 家庭
※画像はイメージです。(以下同じ)

女性の離婚理由は「家族親戚」

 そのため、姑による嫁いびりも、いまだ根強く残っています。司法統計「平成29年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 家庭裁判所」によると、離婚申し立ての理由に嫁姑問題を含む「家族親族との折り合いが悪い」を挙げた女性は6.81%。

 それほど多くないと思われるかもしれませんが、14人に1人強ですから結構な割合です。

離婚理由
※司法統計『平成29年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 家庭裁判所』をもとに筆者集計
 自動車メーカーグループ企業で働く須藤浩二さん(仮名・28歳)も1歳年下の彼女がいますが、結婚は特に考えていません。その理由は母親の存在だといいます。

「嫁いびりをするのが目に見えているからです。今の彼女は就職してから3人目に付き合ったコなんですが、その前に交際していた2人とも結婚を考えていたので母に紹介したんです。けど、実家の片付けの手伝いをさせようと私に内緒で彼女を呼び出そうとしたり、電話で『ウチの家に嫁ぐなら……』と、籍も入れてないのに姑風を吹かしたこともあったそうです」

「上手くやっていく自信がない」

嫁いびり

 結局、須藤さんは「あのお義母さんとは上手くやっていく自信がない」「絶対嫁いびりされるから結婚はヤダ」と言われ、別れるハメになってしまいます。ただし、母親のこうした態度は今に始まった話ではないとか。

中学生のとき、私は携帯電話を買ってもらえなくて、用事があるときは友達が家の電話にかけてきたんです。けど、母が出ると女友達からの電話は、家に居るのに留守だと言われて取り次いでくれないことが何度もあったんです。母はしらばっくれて事実を認めようとしませんでしたけどね。

 ずっと忘れていましたが、元カノ2人に対する母親の態度を知り、そのことを思い出してしまって。たぶん、友達や彼女とか関係なく、私の周りにいる女性が気に入らないのだと思います」

兄夫婦も嫁いびりが原因で離婚していた!

 しかも、母親は須藤さんの義姉にも同じ態度を取っていました。

「兄は私が大学生のとき、同じ職場で知り合った女性と結婚したんです。実家から車で20分ほどのマンションに住んでいましたが母親が勝手に合鍵を作り、頻繁にアポなしで訪れていました。口を開けば嫌味を言い、食事を作られせては『マズい!』と言って捨てていたそうです。

 もともと兄は出張が多くて家を空けることが多かったこと、お義姉さんも兄にそのことをずっと隠していたらしく精神的に病んでしまい、結局3年ほどで離婚してしまいました。原因については後で知ったのですが、もし私が結婚しても似たような状況が起きうることは容易に想像がつきました」

 それでも本当に結婚したいのなら母親と距離を置いたり、最悪絶縁という方法もあります。

「それをするほどの勇気も覚悟もないんです。あんな母親でもシングルマザーとして私たち兄弟を育ててくれましたから……」

本当はやっぱり結婚したい?

結婚 デート

 現在の恋人とは付き合って1年半になりますが、彼女とは結婚など将来に関する話題にならないように気をつけているとか。当然、実家に連れて行ったこともなく、母親には彼女がいることも伝えていないそうです。

「私が結婚を考えていないことは彼女に話していないんです。そういった話を一切しないからすでに察しているかもしれません。ただ、彼女が人並みに結婚願望を持っているのは僕にもわかるんです。けれど、結婚したら兄夫婦の二の舞になりかねないし、完全に嫁の味方でいられるかの自信もない。苦労するのは目に見えているし、母は年を取っても老人ホームに入りたくないと言っています。そうすると結婚相手の女性には介護の負担も出てきます。これでは結婚しようなんて間違っても思えませんよ」

 結婚しないのではなく、したくてもできない。ハッキリとそう言ったわけではありませんが、須藤さんの話からはそんな本音も感じられます。

 本人にとってはあまりに不幸。でも、こんな理由であえて結婚しない道を選ぼうとする人もいるのです。

― 特集・AK男子・AK女子の言い分 ―

TEXT/トシタカマサ イラスト/小池祐子(@ikeko322)>

【トシタカマサ】

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中