- 複数の火星探査機が採取した画像データの中に、「昆虫のような生命体が数多く写り込んでいる」と報告される
- 昆虫は、化石状と生きた状態の両方が確認されており、地球上のハチに似た節足動物であるという
つい先日も、未知の酸素源の検知が報告されたり、35億年前には「津波」さえ起きていたとされる火星。「どこかに生命の痕跡があるのでは…(ナショナル・ジオグラフィック)」と思う研究者も多くいます。
オハイオ大学の昆虫学者ウィリアム・ロモザー名誉教授は、19日、「火星探査機が撮影した画像データの中に、昆虫らしき生命体が写り込んでいる」と発表しました。
氏は、複数の探査機が採取した大量の画像データを数年間にわたり調査した結果、ハチに似た生命体が数多く確認されたと述べています。
ロモザー氏によると、画像にはすでに化石化した個体の他に、まだ生きている状態の個体も確認できるとのこ。
今まで何度も「生命がいるかも」と言われ続けた私たちにとっては、「またまた…」といったテンションですが、ひとまずこの謎の生物の正体を詳しく見てみましょう。
研究の詳細は、11月19日付けで「Entomological Society」に掲載されています。
https://esa.confex.com/esa/2019/meetingapp.cgi/Paper/147473
昆虫?それともただの…
生命体が確認できるという画像はそれぞれ、輝度、コントラスト、彩度などあらゆる点から綿密に検討されました。画像には、あとで追加修正されたり、削除された痕跡は見つかっていません。
同氏が判断基準に用いたのは、形態の明瞭性、体の対称性、ボディパーツの分節性、他の個体との類似性など。
その結果、ロモザー氏は「節足動物に特有の体節や頭部、腹部、一対の触覚、翅などが同定できる」と指摘します。下の画像は、その生命体の化石らしいのですが、ただの岩にしか見えない気もしますね。
ただし、ロモザー氏は昆虫学を専門として45年の大ベテランとのこと。その目に狂いはないと信じたいところです。
また、一個だけならまだしも、同じような形状の化石様物体が数多く発見されているのは興味深いところ。
ロモザー氏は「生きている状態の個体も多く見られ、地球上のマルハナバチやクマバチに類似している」「もしこれらの生命体が現に存在しているなら、火星には予想以上に豊富な栄養源やエネルギー源、水源や食物連鎖が存在するのかもしれない」と説明しています。
この画像だけではまだまだ信憑性が薄いでしょうが、世の「地球外生命体は存在する派」がそろそろ待ちくたびれそうなので、他の研究者の見解を待ちたいところです。
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