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scarecrow72/pixabay

 大人になると、目の前に困っているがいても、あれこれ考えてしまい助けるのにも勇気がいる。だが子供は自分の気持ちに正直だ。時にそのまっすぐな言動が誰かを傷つけることもあるが、誰かを救うこともある。

 アメリカのカンザス州にある小学校に通う9歳の女の子は、いつもボロボロの靴を履いていることで他の生徒たちにからかわれているクラスメイトの男の子にこうたずねた。

 「どうして新しいスニーカーを買わないの?」

 男の子はこう答えた。

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靴がボロボロでからかわれていた少年

 カンザス州マクファーソン郡の小学校に通うエイヴァちゃん(9歳)は、ある日クラスメイトの少年が、スニーカーが古いことをネタに他の生徒たちからからかわれているのを目にした。

 エイヴァちゃんが、「どうして新しいスニーカーを買わないの?」と少年に尋ねると、彼はこのように答えた。

両親は、食べ物や生活費を払うのが大変で僕の靴を買う余裕がないんだ。

 靴が古くなったら新しい靴を買ってもらえるのが当たり前だと思っていたエイヴァちゃんにとって、彼の言葉は胸に響いた。でもなんとかしてあげたいと思った。

心から少年の力になりたいとおもった少女

 エイヴァちゃんは家に帰るとすぐに母親のシャノンさんにこのことを話した。そしてどうしてもこの男の子に靴をプレゼントしたいことも伝えた。

 その話をしていたのは週末のことで、月曜日がやって来るとシャノンさんは忙しさもあり、少年の靴のことをすっかり忘れてしまっていた。

 ところが、エイヴァちゃんは忘れてはいなかった。

 月曜、学校へエイヴァちゃんを迎えに行ったシャノンさんは、「靴のサイズは4(22.2㎝)だって」と言う娘に、「何のことを言っているの…?」と一瞬思ったが「彼の靴のサイズだよ」と言われて、娘が本気で考えていたことに気付いた。

 シャノンさんはこの後、エイヴァちゃんと共に、彼の靴を買いに行った。

少年にプレゼントする靴を持って学校に登校

 そして次の日、エイヴァちゃんは少年のために選んだスニーカーを持って元気に登校。

 そのスニーカーを、彼のリュックの中に入れてあげるのだと言っていたエイヴァちゃんは、小さなメモも添えていた。


親愛なる●●へ。気に入ってくれるといいな。

 この出来事をフェイスブックに投稿したシャノンさんはこう綴っている。

子育ては常に山あり谷ありですが、いつも子供たちの正直さと誠実さに驚かされます。人に思いやりを示すのに躊躇はいらないのだなと思いました。

世の中は嫌なことも多いですが、エイヴァのようなまっすぐなスピリッツ(魂)も時には必要なのかもしれません


 小さな子供たちから大人が教えられることや気付かされることは、実は意外と多いものだ。良かれと思ってしたことが仇となる場合もあることを知っている大人は、助けたいと思う気持ちがあってもなかなか手が出せずにいる。

 断られたらどうしようとか、他の人の目とか、行動を起こす前に考えることが多すぎちゃうのだ。

 台風19号で電車が不通になった時の友人の話だが、その日会社に行く予定だった友人は駅に着いたものの電車が動かずどうしようか考えていた。

 駅前のロータリーにいた友人に車に乗った女性が声をかけた「●●駅にいくのなら私の車に乗ってきな!」友人は突然のことで驚いたが、ありがたく女性の車に同乗したという。更にもう1人、男性も近くにいたのだが、その男性に対しても女性は同じように声をかけ車に乗せたという。

 その女性は常日頃から困った人に対してそうしているのだろう。当たり前のように声をかけ、当たり前のように目的地に運んでくれたその女性に対し、すごくかっこよかった!と友人は語った。

 他人の車に乗ることを躊躇する人だっているだろう。断られたっていい、とりあえず困っている人には声掛けするのがこの女性のスタンスのようだ。

 日本でも小都市においては、報道されていないだけで、毎日たくさんの親切が行われているのだなーと実感した瞬間だった。 

References:kake.comなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52284439.html
 

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