(画像は総務省のマイナポイントページスクリーンショット

新たにマイナンバーカードを活用したポイント還元事業の全容を固めたとの報道があった。実施時期については来年9月との話もあるが、まだ利用者としては実感がつかめない。

そもそも「マイナポイント」とはどういうものか、どうすれば還元されるのか。しらべぇ編集部は総務省に取材し、制度について聞いた。

■キャッシュレス還元に比べてややこしい?

既に実施されているキャッシュレス・ポイント還元事業では、条件が整えば使えることができた。しかし「マイナポイント」はマイナンバーカードという普段の決済では使わないものが登場するほか、登録が必要となる。

そのため、ツイッターでは「めんどくさいし、労力のわりに得られるメリット少ない」といった意見も見られる。マイナンバーが関わるので、セキュリティについて不安を持っている人もいる。

既に開設されている総務省のマイナポイントに関するページを見ても、今ひとつイメージがわかない。では、どういった制度でどのように還元されるのか。

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■紐付けできるのはどれか1つ

しらべぇ編集部は20日、総務省のマイナポイント施策推進室の担当者を取材した。マイナポイントは何かしらの決済手段とマイナポイントのIDを紐付けることで利用可能となる。

ただしマイナポイントのIDと紐付けできのは1つだけ。1人1枚のマイナンバーカードを用いて作成したIDと、ある1つの決済手段に絞って連携させることで「公平公正にポイントがつけられる」と担当者。制度を悪用して誰か1人に多くのポイントが行き渡らないためにも必要だ。

■どのタイミングでもらえるの?

今回の事業については1人に付与されるポイントの上限が決まっている。キャッシュレス・ポイント還元事業と異なってマイナポイントというクッションが設定されているのもそのためだ。

仕組みとしては買い物のときに紐付けた決済手段を利用。その際にある決済システムで採用されている通常のポイントと別に利用金額におうじたマイナポイントが付与される。ICカードなどチャージ式のものについてはチャージするともらえる。

■マイナポイントはあくまで名称

一方でマイナポイント自体は名称であって、実際に与えられるポイントは紐付けされた決済手段によって変わる。マイナポイントとして付与されるポイントの残高についても「マイページで確認できるようにならないか検討」と担当者は話している。

また付与できるポイントについても、景気対策の一環でもあるため、買い物に使えるポイントが対象になるようだ。たとえば、ポイントを何らかの品としか交換できないものについては除外される可能性が高い。

■iPhoneユーザーはどうなる?

セキュリティ面ではIDの登録にマイナンバーではなく、マイナンバーカードを使用する。どこからかマイナンバーが事前に漏れていて、それが悪用されるといったケースはない。

しかしカードを使って登録をするために、ICカードを読み取れる端末が必要となる。公的個人認証サービスに対応しているカードリーダーやスマートフォンが必要となるが、現時点でiPhoneは未対応だ。

「年末には協議を」と話しており、対応する予定はあるそうだ。協議の前段階ではあるが、万が一にもiPhoneで対応しないとなると利用者数にもかなり影響が出そうだ。

■マイナンバーカードの発行には時間がかかる

協議段階のものもあり、全貌こそ現時点でわからないが、マイナンバーカードを使ってIDを作る。そして1つだけの決済手段と連携させる。マイナポイントとして使った(またはチャージした)金額と手段に応じてポイントが与えられることがわかった。

マイナポイントにとにかく重要なのがマイナンバーカードを発行してもらうこと。市区町村へ申請してから実際にマイナンバーカードが交付されるまでには、およそ1ヶ月かかるのだ。

実施時期が近づいてから慌てるよりか、マイナポイントを使う意思があるのであれば今のうちからカードの準備をしておいたほうが良いだろう。

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(文/しらべぇ編集部・大山 雄也

還元で話題の「マイナポイント」ってそもそも何? 総務省に聞いてみた