合意なく身体に触れる、性犯罪の1つでもある痴漢。
女性専用車両などを設けている路線もありますが、痴漢被害は絶えません。
都内の鉄道警察隊は、駅構内4か所に分駐所を設置。主要駅周辺には女性警察官を配置して相談や、被害届の受理をおこなっています。
痴漢被害にあってから自宅に帰れるまでかかった時間は…
電車で痴漢被害を受けたという渚(@likeasea1212)さん。
「同じ痴漢被害で悩む人たちへ参考にしてほしい」と、犯人を捕まえた時の流れをTwitterに投稿しました。
犯人逮捕の当日
繰り返し続いていた痴漢の犯人を捕まえた渚さん。そのまま駅長室で待機し、駅員と警察官に事情を説明しました。
そこでは、被害届を出す意思があるかを確認され、パトカーで最寄りの警察署へ連れていかれたといいます。
警察官に状況説明と調書作成をするのですが、このような内容を聞かれたそうです。
・何時の電車に乗ったか
・乗車区間
・乗っていた車両
・痴漢に遭った場所(ポールの近くなど)
・痴漢に遭った時間
・犯人の服装や髪型などの特徴
・犯人はどちらの手でどこを、どのように触れたのか
・犯人の顔は見たか
・痴漢をされたときどのように思ったか
再び被害にあった当時のことを、脳内で再生させすべて思い出さなければいけないのは苦痛でしょう。
その後、身分証明書を提出し、全身を撮影した後に再び警察官とマネキンで当時の状況を再現し写真撮影。
警察と調書を読み合わせし、誤りがないことを確認したら拇印を押します。
※写真はイメージ
ようやくこれで終わりかと思えば、ここからパトカーで自宅まで送ってもらい着替えると、痴漢に遭った時の下着とスカートを提出するのです。
これで逮捕当日の工程は終了ですが、ここまでかかった時間はなんと…10時間。
拘束時間の長さにネット上では驚く声がたくさん寄せられていました。
痴漢にあった後日の流れは…
痴漢にあった後日の流れ
後日、渚さんは検察庁に行き、検事にもう一度当時の被害の状況を初めから説明します。
再度、調書を作成し確認すると、検事から「犯人を起訴するか、示談にするか」と聞かれた渚さん。それぞれのメリットとデメリットをこのようにまとめました。
【起訴する場合】
裁判をする。場合によっては法廷に出向くこともある。
メリット
・有罪になれば犯人に前科をつけられる
・刑事罰を受けさせることができる
デメリット
・年齢と名前が犯人に分かってしまう
・否認の場合、法廷に出向かないといけない
【示談する場合】
犯人の弁護士から電話が来て、直接会って話し合いをする。
メリット
・法廷に出向く必要がない
・示談の条件を好きに設定できる(今後○○線を使用しないなど)
・被害相当の示談金がもらえる
デメリット
・犯人に前科をつけられない
・被害を金銭に換算することへの抵抗感
当事者による投稿に対し、さまざまなコメントが寄せられていました。
・勇気ある行動です。これは覚えておきたいですね。長い時間お疲れ様でした。
・10時間も拘束され何度も当時のことを思い出して説明するのはとても苦痛だと思う。
・なぜここまで被害者が心身の負担をかけられないといけないのだろう。
・私も10時間ほどかかりました。手間がかかりすぎだと思いました。
痴漢をされた被害者は、当時のことを思い出すだけで大きなストレスです。また、心に深い傷を負ってしまいます。
こういった細かな手続きは冤罪を防ぐにために必要なことなのでしょう。しかし、被害者の心のケアを意識することも重要です。
難しい問題ではありますが、被害者が『さらなるストレス』を感じることなく手続きを行える仕組み作りが求められています。
ツイート全文
ずっと悩まされていた痴漢を捕まえた時の手続きの流れを自分なりに纏めました。同じように悩んでいる人の力になれば…検索しても加害者が弁護士に相談する用の記事ばかりで困ったので。 pic.twitter.com/ie0XvOMh5D
— 渚 (@likeasea1212) 2019年11月17日
痴漢の罪状は迷惑防止条例違反と強制わいせつがありますが、私の場合は強制わいせつだったので前者の場合裁判の流れは異なるかもしれません。
— 渚 (@likeasea1212) 2019年11月17日
あくまで私個人の経験にのみ基づいていますので、事件様態によって様々なケースがあると思います。参考程度にして頂ければ幸いです。
— 渚 (@likeasea1212) 2019年11月18日
[文・構成/grape編集部]
- 出典
- @likeasea1212/警視庁
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