[記事提供:カラダ・知る・ジム – BODY TIPS(https://www.bodytips.co.jp/)]

カラダが硬い=筋肉ではない


世の中のストレッチ信仰は根強いものがあり、街を歩けばマッサージ屋さんのようなストレッチ屋さんまであるご時世。そこに求めるものはきっとカラダをほぐすことなのだろう。

もう言い続けて久しいが、一般的なストレッチにカラダを柔軟にする効果は大してない。だが、今日は少し違った視点でそれについてお伝えしみたい。

そもそも、カラダが硬い人は自分のカラダの筋肉が硬いと思っているであろうが、実際に硬いのはそれだけではないということをまず知って欲しい。

まず、カラダが硬いということは関節の動きが小さいということ。関節は骨と骨のジョイントであり、それをまたぐように付く筋肉が伸び縮みして関節を動かす。その筋肉がそもそも硬いから関節が動かないと思っている人が多いはず。

しかし、関節の動きを阻害するものは筋肉以外にも、靭帯、腱、筋膜、場合によっては関節そのものも動きを制限する要素となる。そして、関節の動きは筋肉と一緒にこれらすべてがうまく協力して動くことで可能となる。

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カラダの柔軟性に影響を与える陰のボスとは?

靭帯、腱、筋膜などは結合組織と呼ばれ、名前の通りカラダの組織と組織の隙間を埋め、つないだり、支持したり、さまざまな重要任務を担っている。

例えば、靭帯は骨と骨をつなぎ、あらぬ方向に関節が動かないよう支持している。それを越えて無理に動いた結果が捻挫と言われる靭帯損傷というケガ。腱は、筋肉と骨をつなぐバネの役割を担う。筋膜は、一定の筋肉を包み、筋肉ごとの役割を果たすよう束ねている。

これらの主成分は何で出来ているかと言うと、かの有名な「コラーゲン」である。カラダの中で最も多い成分は水で、成人なら60%前後あるが、それに次いで多いのがタンパク質で20%を占める。このコラーゲンもタンパク質のひとつで、体内の全タンパク質の30%を占める。

このコラーゲン、女性は欲して止まないモノのひとつだろうが、意外と正しく理解している人は少ない。お肌ぷるぷるの主成分で弾性に富んだ物質だと思っている節があるが、コラーゲン自体は引っ張りには強いが、弾性はない。肌も含め弾性を担っているのはエラスチンというタンパク質である。

コラーゲンは構造を支える柱や梁みたいなもので、それを束ねてスプリングのような弾性を与えるのがエラスチンと考えてもらえばよい。

肌についてはまた別途お話しするのでここでは脇に置き、関節まわりの靭帯や腱、筋膜においては、関節を保持する成分としてコラーゲンがあり、柔軟性を与える成分としてエラスチンがある。そして、この2つの成分は2つセットで働くのがポイント!

そして、それらは加齢とともに減っていくことがわかっているのだ。

減りゆくコラーゲンを回復させる方法はあるのか?

コラーゲンやエラスチンが加齢とともに減っていくことは事実であり、その結果として関節が硬くなっていくのも事実。では、もう再びその関節は柔軟性を取り戻すことは出来ないのだろうか?

もちろん、そんなことはない!ただ、それをお伝えする前に、なぜコラーゲンやエラスチンは減りゆくのか?それを知ってもらいたい。そのひとつの大きな原因は、日頃の「活動不足」だ。

考えてみてもらいたい。例えば、ひどい捻挫をして靭帯損傷した人がいたとする。数週間の固定をした後に動かそうと思うと、ガチガチに関節が固まって動かない。そんな経験をしたことがある人もいるかと思う。では、その硬くなった関節まわりの靭帯や腱、筋膜は二度と可動域を回復しないか?無論そんなことはない。

つまり、リハビリなどで動かすことで徐々に柔軟性を回復していく。そして、これは研究結果として明らかなことだが、必要なのは筋肉活動なのだ。要するに、筋肉を使って強くしていく過程において、筋力が増すのに応じて動かす関節を支える靭帯などの組織も強くなって行かなければならず、自然に復活し強化されていくのだ。

さらに必要なもの、それは血流

ついでにもうひとつお伝えすると、コラーゲンは体内で作られるということ。女性はしきりに食べたり、塗ったりしたい人が多いが、自分で作れる能力を上げる方が断然お得だということを知って欲しい。

コラーゲンは真皮にある線維芽細胞で作られている。その細胞は概ね血管の極めて近くに存在していて、血流をよくすることでコラーゲンの生成能力が上がることが確認されているのだ。

血流改善するためにもやっぱり必要なこと、それは筋肉を使うこと。つまり、日々の活動を増やすことが結果につながるのだ。そして、ここでは敢えて「運動」という言葉を使わず、「活動」という言葉を使っている。

それは私の著書「カラダにいい!がカラダを壊す」(日本経済新聞出版社)でも強くアピールしていることなのだが、強度の高い運動は健康や美容にはダメージが大きく、必要なのは中強度までの運動、もしくは日常の活動量をまず増やしましょう!ということ。

実際に、コラーゲンの産生のみならず、低〜中強度の運動で血管自体の強化も出来ることが証明されている。前回のコラム(カラダが硬い人が考えるべき2つのこと)も合わせ読んでいただければ、決して一般的なストレッチなどが必要なのではなく、少し知れば的を得たアプローチでカラダの硬さは改善できることを知ってもらえたらと思う。

そして、最終的にはカラダの柔軟性を手に入れることでもっと大きなものが手に入るということを理解してもらえれば、よりモチベーションも上がるのではないだろうか。

[記事提供:カラダ・知る・ジム – BODY TIPS(https://www.bodytips.co.jp/)]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

亀田 圭一(かめだ・けいいち)

亀田 圭一

カラダ・知る・ジムBODY TIPS/コンディショニング・トレーナー
経歴 Career
青山学院大学
航空会社勤務などを経て、一転トレーナーを目指し鍼灸師免許取得。鍼灸学校に学びつつ、母校の青山学院大学トレーニングセンターにてトレーナー研修を積み重ね、21世紀よりプロのトレーナーとして活動する。
主なトレーナー歴として、

青山学院大学女子バスケットボール部トレーナー(1999-2001)
・荏原製作所女子バスケットボール部トレーナー(2001-2002)
・日本IBMラグビーチーフトレーナー兼フィジカルコーチ(2002-2007)
・神戸製鋼ラグビー部フィジカルコーチ(2008-2009)
関西電力女子ボート部コンディショニング・トレーナー(2008-2009)
・柏日体高校男子バスケットボール部フィジカルコーチ(2009-2013)

2007年8月より、アスリート専門だった活動を一般の方々のカラダづくりから痛みの解消までを行うコンディショニング・トレーナーとして活動を開始。
2010年8月、大学時代より縁深い東京都渋谷区に株式会社BODY TIPSを設立。一人ひとりのカラダを丹念に見るコンディショニング・トレーナーとしてよりキメの細かい指導をしている。また、2013年より、全国でセミナーを開催して回る傍ら、著書「カラダにいい!が体を壊す」(日本経済新聞出版社)も出版し、真の健康を下支えする知識とケアの啓蒙に務めている。
2015年6月より表参道に拠点を移し現在に至る。

資格 License
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師、日本陸連医科学委員会医事部トレーナー部会トレーナー、日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者(JATI-ATI)、日本NLP協会&全米NLP協会認定NLPプラクティショナー、DNS認定エクササイズトレーナー(PART3修了)、イーマ・ソナ協会認定調律師&インストラクター

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カラダは肉体という物質で、時間とともに劣化するもの。それが常識的な理解かと思います。そして、溢れる情報に刺激され、まだ何も変化が見られない時期から心配でアレコレやっている人もいれば、逆に無頓着で少々具合が悪くても放ったらかしの人もいます。大切なことは、今のカラダを感じることです。そして、バランスを取りさえすればよいのです。いつも心地よいバランスで生きる。それは誰にでもカンタンに出来ること。丁寧にお伝えしていきたいと思います。

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