車椅子Natee127/iStock Editorial/Getty Images Plus/写真はイメージです)

TOKIO松岡昌宏が主演を務めるドラマ『死役所』(テレビ東京系)の第6話が21日に放送。

原作漫画でも屈指の人気を誇るエピソード「カニすべからく」回。中島歩と、ジャニーズWESTの重岡大毅演じるお笑いコンビが魅せた青春と友情が、ネット上で「涙が止まらない」と大きな話題となっている。

■まだ芽が出ぬお笑いコンビ

病院着姿の佐尾高茲(中島)が病死課にやってきた。申請書に書かれた職業は「芸人」。高関一文(重岡)と「カニすべからく」というコンビを組んでいたという彼は、生前の思い出を振り返る。

なかなか芽が出なかった「カニすべ」だが結成10年目のある日、賞レース「デッドオアコント」の決勝戦出場権を得て、テレビでネタを披露する機会に恵まれる。

高関は佐尾が高校時代に書いたネタであり、コンビ名の由来でもある「カニすべからく」という、ある男の”感情”を主役にしたネタを披露したいと願い出るが、「放送事故になる」ということで書いた本人に却下されてしまう。

関連記事:エロ昔話『天狗とお獅子』に視聴者悶々 「お獅子ってどういうことなの?」

■「カニ漁へ行ってきます」

本番の前日、高関に佐尾から「カニ漁へ行ってきます」という不思議なメールが届く。いつもの佐尾の冗談だと考えた高関は「俺ズワイガニがいいな」と返信するが、その頃、佐尾は自宅で汗だくになっていて、床に倒れ込んだまま、意識を失ってしまう。

決勝戦当日、抽選の結果トリを飾ることになっていた「カニすべ」だが、時間になっても佐尾はスタジオに現れない。彼の様子がおかしいことを思い出し、もしかして何かあったのかと焦る高関だったが、車椅子にのった佐尾が「ごめん、ちょっと遅れた」と到着する。

佐尾は本番直前、自身の人生、そして患っている難病について書かれた遺書を高関に手渡す。そして、反対していたはずのネタ「カニすべからく」なら自分は座っているだけで良いからと相方の漫談にすべてを託すのであった。

■最速の成仏?

結局「カニすべ」は優勝できなかったが、その後川辺で車椅子を押す相方に「遺書どうだった?」と問いかける。

高関は「つまんなかった!」と即答し、あのネタにな納得いっておらず、とくに自分に病気を隠していたことに憤慨するが、最終的には「死ぬまでお笑いやるぞー!」と、車椅子を押しながら走り出す。

その後、佐尾は「デッドオアコント」を見て大ファンになったという少年に自身のサインを渡した後、迅速に成仏の扉へ向かったという。きっと、「人生はそう悪くなかった」と語れる程、後悔のない生き方をしたからであろう。

■「きっと笑いに変えて……」

ひとりで舞台に立った高関は涙ながらに「カニすべからく」を演じていた。自分は男の”感情”であるが、当の本人は死んでしまったこと、自分だけが残されてしまったという出だしがゆっくりと語られるが、彼は涙をこらえることができなかった。

「佐尾の死はいつの日かきっと、笑いに変えて皆さんに届けます。だから、それまでどうか、見守っていてください」と感情を抑えきれずに語る高関に、客席からは大きな拍手が沸いたところで画面は暗転する。

■感情を揺さぶられた視聴者続出

あの世とこの世が同時に進行しているような演出、そして漫才「カニすべからく」がふたりにリンクする展開に視聴者からは「感情が揺さぶられる」「めっちゃ泣いた」といった称賛が多数寄せられた。

また、コンビを演じた重岡と中島の芝居も注目されており、「本当にあのコンビがいたような錯覚になるくらいとてもよかった」「夜中にはもったいないドラマ」「30分で10年分の青春を見た」等、反響が相次いでいる。

とあるコンビの青春と人生を30分弱で表現した第6話。漫画を映像化した際に生まれる物足りなさは微塵も感じられなかった構成と脚本、そして心を打つ芝居と盛りだくさんな回であった。同時にシ村をはじめとする職員たちの謎も徐々に解けてくる緻密な展開に、今後も目が離せなくなりそうだ。

・合わせて読みたい→山里亮太、タクシー運転手のマナーに困惑 「絶対乗りたくない」の声も

(文/しらべぇ編集部・AKO

難病を隠してお笑いコンテストに出場 売れないコンビの真実に涙「青春だ」